ゆきこの部屋

宝塚やミュージカル、映画など好きなものについて語るところ。

保健所の指定しない「濃厚接触者」になった話

ファイザーワクチン1回目摂取は、摂取部位の痛みしかなく、無事に終わった感じでした。熱も36.8以上にならなかった。
なんなら摂取翌日は仕事させられたしね!これなら観劇できたわ!というレベルです。
夫は2回目より1回目の方が軽かったし、本当に副作用といっても様々ですね。

さて、タイトルの通りです。
少し前ですが、保健所の指定しない「濃厚接触者」になりました。
それだけなら別に何も書き残すことはないのですが、そのときの周りの反応が気がかりだったので、ちょっと筆を取ります。
結論から言うと「少しくらい仕事休んでも許容し合える社会にしてくれ」ということです。

仕事の関係で、職場以外で研修を受けることになりました。
研修自体はオンラインでもできるのですが、オンラインで研修をした同僚の話を聞くとあまりにも馬鹿馬鹿しくて(その人はパワーポイントを全部スマホで写真撮って、それを見ながらテストを受けていた。誰でもできるやんけ、適正関係ないやん)コロナの危険性は多少あるものの、やっぱり対面で研修を受けたいなと思い、対面研修を選びました。
あらゆる研修場所と内容を比較しただけあって、資料が送られてきたときは思わず読み耽ってしまうほどおもしろかったのです。
仕事しているよりも研修を受けていた方が楽しいだろうなとさえ思いました。
場所も、職場の半分くらいの時間で言えるところで、朝も帰りも楽だった。時間外勤務がないって最高。

研修を受けていた頃は「犬も歩けば感染者に当たる」みたいな時期で、5日連続新しい感染発覚者が4桁を超えるような日が続いていました。
発覚は月曜日のお昼。
金曜日の午後に1時間ほど距離をとってマスクをしたまま6人でグループ討議したメンバーのうち5人が集められ、来ていないその1人が金曜日の夜に発熱、陽性だと知らされました。
当時の保健所の基準はザックリ言うと「マスクを取って15分以上一緒にいた」場合、濃厚接触者になる、というようなものでした。状況にもよるでしょうが、もっとも想定されやすいのは、やはり食事時でしょう。
ただ、私たち6人は上記の通り「マスクをしたまま」一定の距離を保っていました。だから濃厚接触者にはあたらない、と思ったのですが、ところがどっこい、そうではありませんでした。

保健所の基準とはまた別に、会場側が常日頃採用している基準によれば「グループ討議をしたら濃厚接触者」ということになっているのです。
そして濃厚接触者には「2週間の自宅待機のお願い」がされました。
保健所よりも厳しい基準ですが、多くの人が出入りする場所ですし、それも仕方がないかな、と思いました。
会場から提示された「お願い」も、確かに厳しいけれども、最長の潜伏期間を考えれば、人命には変えられないからな、という思いで、予定されていた仕事を依頼することや遊ぶ約束のキャンセルなどが脳裏をよぎりました。
遊ぶ約束に関しては、楽しみにしていたけれども、仕方がないや、と。
仕事の方は周囲に仕事を頼むのは気が重いけれども、まあなってしまったものは仕方がないでしょ、と。
観劇の予定が入っていなかったのは幸いでした(もっとも自宅待機を命じられた2週間後の翌日は観劇日であった)(そして実は月曜日の前日は観劇予定でしたが、観劇を諦めていた。結果的には大正解だった。ナイス判断!)。
私は会場側が去年、一生懸命考えて作ったであろう基準を自分が勝手に変えることはできないと思いましたし、会場側はその厳しい基準のために大多数の人間が出入りする中でもクラスター(集団感染)発生していないと言っているし、念には念を、という気持ちはよくわかる。人命には変えられないから。
保健所が認定しない、会場基準の「濃厚接触者」だから、PCR検査をしてもらえないのは腹が立ったけれども、普段出入りしている人ならともかく、研修のためだけにやって来た外部の人間のためだけに考えていないところがあるのもね、みんなこのヘルジャパンで忙しく働いている傍らで研修してくださっているのだから仕方ないよね。

せっかくの機会だから買っただけで読んでいない本や見ていないBlu-rayを消化するか……と、粛々と2週間の自宅待機の予定を考えていたのは5人中、なんと私1人だけだった。
ワクチンを2回打った人でさえ、それはちょっと……みたいな雰囲気だった。いや、打ったからこそ、なのかな?
ちなみに私はこの時点で1回目さえ打てていないし、メンバーの中にも予約は取れているが、打てていない人が多かった。

「子供の幼稚園が閉鎖になる。そうすると他の親御さんにも迷惑がかかる。専業主婦の人が使っている幼稚園ではないのだ」
「来月からの仕事は休めない。どうしてくれるんだ」
「お願いベースなら、拘束力はないってことですよね?」
「濃厚接触者の基準が保健所より厳しいのはありえない」
「今週、職域でワクチンを打つ予定だったのに、どうしたらいいんだ」
などなど。まあまあ、みなさん立派な社畜ですこと。
さすがヘルジャパン。
一つずつツッコミ入れてもいいですか?

「子供の幼稚園が閉鎖になる。そうすると他の親御さんにも迷惑がかかる。専業主婦の人が使っている幼稚園ではないのだ」
わかるよ、わかる。他の親御さんに迷惑がかかるんだよね。でも、ウイルスを持っている子供が園に通うことの方がよっっっぽど迷惑だと思うんだ!
どうやら子供の家族に濃厚接触者がいたら、その時点で閉園、附属の幼稚園だから、他の校種も閉鎖になるから困る!というのだけど、なんだ、その厳しすぎる基準。むしろそっちを疑うという方法はないのか?
どれくらい敷地が近いのかわかりませんが、マスクしたままなら討議を一緒にやっても問題ないと言っておきながら、他の校種まで閉鎖する必要はあるのか?という疑問は浮かばないのか。
あと専業主婦を見下したような物言いもちょっと気になるのよね。
わかるよ、働きたくないんでしょ、本当は。わかる。
でも職場にも隠したいというのはいくらなんでも無理があるよ。いくら正規職員ではないからといってもね。……という言い方をすると、非正規を馬鹿にしているように聞こえるかな。
でも職場に伝える義務は、そこで働いている以上あるだろ。

「来月からの仕事は休めない。どうしてくれるんだ」
わかるよ、わかる。私たちの仕事は今月と来月では仕事の量が全然違うものね。
なんなら、今月はちょっと余裕があるから研修を受けに来ているんだものね。わかるよ。
わかるけれども……!そんなの!会場に言わないで、自分の上司(管理職)に言えよ!
それはもはや会場の責任ではない。
私だって心配だし、むちゃ大事な会議もあるんだけど、でもあとで取り返すしかなくない?
ちょっと日程ずらしてもらうしかないって思っていたよ?
だって人命には変えられないでしょ……っ!

「お願いベースなら、拘束力はないってことですよね?」
お願い聞かない気満々やな。
会場の管理下にある人間なら拘束力を持たせた発言ができるのだろうけれども、私たち部外者を拘束するほどの力は会場側も自分たちにはないと思っているのよね。
聞かなくていいなら、私だって遊ぶ約束だけは果たしたいよ。
仕事だけして遊ばないのが最悪のパターンだよ。
リスク冒してまで働きたいですか?
私は絶対に嫌。遊んでいて感染するほうがマシ!
っていうか、そういうこと、布マスクをしながら言う?
発言と行動がちぐはぐなんだよ!怒

「濃厚接触者の基準が保健所より厳しいのはありえない」
場所の特性に合わせて、場所毎に多少基準が違うのも仕方がないことでしょう。
むしろ、保健所の基準よりもゆるい場所があったらそっちの方がビックリだけど。

「今週、職域でワクチンを打つ予定だったのに、どうしたらいいんだ」
そんなことは病院に言ってやれよ……っ!
会場に言われたってわかるわけ、ないだろうが!
なんなの?バカなの?

その後、5人で離れて座ってマスクしたまま「作戦会議」とやらに参加させられたのですが(それがそもそもハイリスクだと何故気が付かないのか?)。
どうやら皆さん、とても働きたいらしい。
仕事に穴を空けると鬼のように怒る同僚や上司がいるのか?と疑ってしまうほどには働きたいらしい。
私は全く働きたくなかった。
大人しく2週間の自粛のお願いを聞く気満々だった。
ちなみに私が陽性者の方がウレタンマスクだったことを指摘しても「でもそんなに飛沫は飛ばなかったし!」とか言っちゃうのね。
人の唾の大きさとウイルスの大きさって全然違うことがわかっていない。
ウレタンマスク禁止の学校や劇場もあるのに、そういうことを知らないのか、知っていて目を背けるのか。
挙げ句の果てに「あの人、あんまり喋らなかったし」と記憶の美化(捏造)を行い始め、しかもそれを共有させようとする。人間って怖いなと思った。
職場に連絡しないで済む方法を模索する人もいたけれど、いやそれはさすがにまずいでしょ、と別の人が言うとシュンってなっていた。まずいに決まっているだろうが。
結果としては「上司への報告の仕方次第」みたいなところに落ち着いて、みんなで連絡先を交換して30分くらいでお開きになったかな。

お開きになった後すぐ職場に連絡したけれども「会場側が過敏になっているだけ。問題ないから研修明け予定日から出勤して」と管理職からは言う。
すげーな、この危機管理能力のなさ。1から10までがーばがば。もっとも「今、検査したら、無自覚の陽性者がわんさか出るに決まっているから、検査しないに越したことはない」とか言っちゃうような管理職だからな……信じられない。アンビリーバボー。
「オンラインにしておかないから〜」とかなんとか言われなくてよかったけれども。そんなこという暇がないくらいに迫り来るその後の対応で頭がいっぱいだったのだろう。結局何の対応したのかよくわからない有様だったけどな。
他のメンバーの中にも、職場に連絡したら「出勤していいよ。むしろなんでその程度で濃厚接触者?」「そんなことで濃厚接触者認定していたらキリがない」みたいな反応だったらしい。なんでやねん。ツッコミが追いつかねぇよ。
中世ジャップランドは人命を大切にしないのだな。

私が1番残念だったのは残りの研修が課題に変わってしまったこと。
講義、受けたかったなあ。せっかく自腹で3諭吉も出すのだし(ほとんど講習名言ってる)。
私、やっぱり勉強するの好きなんですよ。
これも命あっての、というところだから仕方がないのだけれども。

仕事を急には休めない。
たったこれだけのことが、どれだけの波紋を呼んでいるのか。
たかだかこれだけのせいで、どれだけの人間が不要なリスクを負っているのか。
まざまざと考えさせられた出来事でした。
仕事くらい、ゆるく休みたい。
気分が乗らない日もある。雨の日は憂鬱だ。
学校での皆勤賞に大きな価値や意味づけを行わなくてもいいのでは?
みんなで我慢大会する国から脱しようよ。
有休消化率9割目指そうよ。2割も使えていないんですけど……。

これは最近聞いたことですが、ある市町村の中学ではクラスで感染者が確認された場合、保健所が「濃厚接触者なし」と判定しても、同じクラスの生徒はPCR検査を自治体がお金を出して受けさせるそうな。
そうして1人とか2人とか陽性になるみたいだから、やはり保健所の基準ももう少し何とかならないものかなとは思う。
というか、ワクチン接種がスムーズに行えて、ワクチン・パスポートも普及して、街の至る所でPCR検査受けられて、結果がメールで送られてきて、陽性でも保健所からたんまり食べ物が届いて、そういう生活は本当にできないのだろうか、と諸外国が羨ましくなる。