ゆきこの部屋

宝塚やミュージカル、古典文学など好きなものについて語るところ。

雪組『CTTY HUNTER』新人公演感想

雪組公演 新人公演

kageki.hankyu.co.jp

ミュージカル『CITY HUNTER』-盗まれたXYZ-
原作/北条司シティーハンター」(C)北条司コアミックス 1985
脚本・演出/齋藤吉正
新人公演担当/指田珠子

本日は月組博多座公演のライブ配信の日ですね。めでたい。
本当は博多座まで見に行きたいのですが、飛行機が苦手な上に、新幹線で行くとなると公演時間よりも片道時間をかけなければならないのがつらく、その上に仕事が忙しい……忙しい……死ぬほどいそがしい。
あまりにしゃべりすぎて声帯にタコができてしまったらしい。そんなことってあるのね。
そいうわけで夕方まで全力待機の身でございますが(投稿は夜ですが、書き始めたのは昼間だったのです!)、それまでに初めてライブ配信のあった新人公演雪組『CTIY HUNTER』について、書き残しておこうかと。

そもそも新人公演をライブ配信することの賛否もありましたね。
未熟な生徒たちの芝居を電波にのせる必要はない、宝塚の敷居が低くなる、というちょっと私には理解できないことを主張する人もおりましたが(前者は音楽学校を出ていて「未熟」というか? 後者は宝塚の敷居が低くなって何が悪いんだ?とそれぞれ私は思いました)、一方で学年の若い生徒たちにはのびのびとやって欲しいが、ライブ配信があると緊張するのではないかというのは一理あるな、という気はしました。
失敗をしても許される、という言い方は本公演よりも安いとはいえお金を取っている以上、なかなかおおっぴらには言えないでしょうが、それでも、そういう一面もあるのも確かだなと納得できます。

とはいえ、私はもちろん両手を挙げて賛成です。
なんといっても遠征民にとっては嬉しい。18時スタートの公演ですから、挨拶も含めれば終わるのは20時前後。
そこから新幹線にのって、最寄りの駅まで、となると少なく見積もっても2時間はかかる。
帰宅する頃には22時なわけですが、その時間の私はいつもならすでに布団に入っているような有様で、とても気軽に見に行けるものではありません。
もっとも次の花組の新人公演は我らが愛する美羽愛ちゃんがヒロインを演じますので、午後のお休みをいただき、そりゃもう意気込んで見に行きますけれども、翌日の仕事は遅刻もできないだろうから、きっとしんどいだろうな、と今から思っています。
私の体力よ、もってくれ。

そういうわけで、ありがたかった新人公演の配信。もっともこの作品が最初でよかったのかどうかは別の問題でしょうが。
特例でまだ100期が新人公演に残っている最後の公演。これなら月組でもやってくれよ……!と思いましたが、月組の頃はそんなことも議論していられないくらい戦々恐々とした夏でしたものね。仕方が無いのかな。
指田先生はめっちゃ期待できる演出家。『龍の宮物語』も楽しかったです。

yukiko221b.hatenablog.com

今では最後の涙が姫の涙だと素直に思えます。

さて、前置きが長くなりましたが、とりあえず冒頭のアミック・エンジェルが電話をしている場面だけで、個人的には「もととったな」という感じでした。突然安い女です。あみちゃん(彩海せら)にはめっぽう弱い。
グレーのチェックのベストも最高だな。どうしてその緑のシャツがそんなに似合うの。
あみちゃんの「まじか!」を一生保存しておきたい。
「エキゾチック・ジャパ~ン!」から始まるミックソング、楽しかった……これで燃え附けてもイイかと思った。
後ろのCAにまじって「ミック・エンジェル!」とコーラスしたい人生だった。新人公演くらいならいいでしょ(だめです)。
格好いいし、まじでひれ伏すわ。あみちゃん~! 好き~!
アミックちゃんが自分でいう「モテモテちゃん」はとても信じられるし、なんとなく許せる。そして本当にモテモテちゃん。
もちろん本役あーさ(朝美絢)だって説得力あるのだけれども、アミックの方はマダムキラーっぽい感じがたまりませんね。
ところどころあーさを思い出させつつも(あんまり他のキャラクターは思い出さなかった)、とてもよいミックでした。
楽しかった。一時期品切れだった舞台写真も買いました。ありがとうございます。合掌。家宝です。
あがち・はばまい・あみちゃんの三人のバランスは、思っていたよりもよさそう!と感動しました。
芝居のパートも歌のパートも三人のバランスが三脚のように安定していたのが印象的でした。
悪い顔のあみちゃんものりのりあみちゃんも好きです。
できれば冴羽の弾をよけるシーンも写してやってくれよ~! カメラワーク~!

注目はともか(希良々うみ)の冴子。みちるちゃん(彩みちる)よりも、硬質な警官という感じがたまらない。
その分、槇村に対しても一途に思っているように見えました。ヒューまじで格好良いな。これ、本公演じゃないの?
映像でみると冴子のスリット、やはりすごいな。そしてそんな身体のはらせかたでいいのか、疑問しか出てこない。
すみれコードとは一体なんだったのか。
冴羽あがち(縣千)とのデュエットソングは、もう完全にともかの方が上!って感じが良くにじみ出ていましたね。
ともかの方が歌がうまいから、のせられている感がある。
警察官の制服もよかった。禁欲的だった(なに)。

一方で、ともかの本役を演じたくるみちゃん(莉奈くるみ)はもう超キュート。
「どうしてそんなミニ、履いているんですか?」と香に聞かれるものの、ともかの衣装だからあんまりミニになっていないような気もするのもかわいかった。
本役よりも思いっきりコメディにふっていて、実に楽しそうだった。全国ツアーの『ヴェネチアの紋章』を思い出した。
こういうことをやらせるとピカイチだな。今後が楽しみな生徒の一人です。
「エロい女」も楽しそうにやっていたな~。それでいのか、演出には疑問はありますが。
しかしキャッツ・アイの場面は、カメラが引きすぎて全然わからなくてもったいなかったな。
全体的に後半は全景が多かったような気もします。これもコロナのため、距離を置いて芝居をしているせいなのでしょうか。

はばまい(音彩唯)のショートカットはかちゃさん(凪七瑠海)に似ているなーと。
小顔で、パーツが大きくて、パーツが求心の顎小さめ族とでもいうのだろうか。
オープニングのソロ、さすがですね。あえて欲を言えば「愛を止めないでもう~♪」のあとの「Uh~」みたいなところはやはりきわちゃん(朝月希和)の方が情感こもっている感じがしますが、これも経験でしょう。
歌はうまいし、真ん中に立つオーラもあるし、思えば新人公演のヒロインが初めてだというのが夢のよう。憎きはコロナとその政策だな。
最後のあがち挨拶のときは油断しているのか、やりきった感があったからなのか、棒立ちみたいになっていましたが、それもまた下級生ならではでしょう。

香の兄ははいちゃん(眞ノ宮るい)はやたらと可愛くてやたらと色気のある幽霊だなと思いながら見ていました。
「新宿ショータイム~♪」はかわいい兄妹だったな。
はいちゃんの、立っているだけで漂ってくるようなあの色気ってなんなんでしょうね。
そして最後にやはり新人公演主演をやらせてあげたかったという気持ちは出てきました。
この作品でええんかいっていう話はもちろんあるのだけれども、それでも、ね。

ありすちゃんの美樹もよかったなー。もうちょっと声が聞こえるとさらに良い。本役のりさ(星南のぞみ)の雰囲気はありつつも、こちらも、海坊主との銀橋のシーンは圧巻だった。あの場面、本当に好き。
どうして冴羽と香よりもこのカップルの方が「話」があるのだろうかっていう話ですよね。
全ては脚本のせいでしょう。「ハッピーじゃなければ、エンドじゃない!」というべにあーの標語を思わせるカップルですね。

かせきょー(華世京)の豊もよかったですね。荒削りだけど、全身で芝居しているのがわかるのがいい。
ちょっとチークが濃かったような気もしますが、それはこれから。まずはハートのほうが大事。
化粧の技術は経験でうめられるから。楽しかっただろうな^^

アルマを演じた華純沙那ちゃんは抜擢でしょうか。芝居も歌も安定していて、オーラもあり、舞台度胸もありそうです。
これからが期待できる生徒の一人ですね。
友人の推しである聖海由侑はマサ。おひげをつけていて、私は最初、気がつかなかったけれども、マサが出てきた瞬間、友人から「せいみゆうじゃん!」というひらがなのラインをいただきました。嬉しそうで何より。歌う場面がなくて残念でしたね。
ねこまんまの場面では、すわんちゃん(麻花すわん)がアップで映る。劇団の推しだなーと思いながら、確かに可愛い。

全体的に新人公演の方が「お芝居をしている」感が強かったように思いますし、好みからいえば新人公演の方が好きだったかもしれません。
脚本は、言っていれば「事件はあるけど、芝居はない」ドタバタ劇みたいに見えて、上級生だと良くも悪くも経験と技量があるものだから、それでなんとか魅せられてしまうのだけれども、その技量の分を新人公演は地に足のついた芝居をすることで埋めようとしていたように見えました。
芝居をしていたから、きっとこちらの方が好きなのでしょう。ありがとう、指田先生。

東京公演も千秋楽が迫っており、当初から上がっていた脚本の問題点も、東京公演が始まった頃は問題視されていましたし、東京のお客さんの方がその手の視点は厳しいなと思ったのですが(そしてショーは改善されたのに、芝居は改善されなかったという違いも大きい)、そろそろ一周回って演出家の先生を擁護する声もあがってきました。
サイトーにしては頑張ったとか、品に関しては原作者が「原作のせいだ」といっているではないかとか(それって演出家の役割をどう考えているんだろう?)、あの年代の空気を出すためには仕方が無かったとか。
なるほど、おもしろいな、と一周回る現象自体は楽しんでいるのですが、やはり、私は納得できない派だな、と。
大切なタカラジェンヌたちに何をさせてくれてんねん、と思います。文句言うなら見るなという人もいそうですが、大好きだから文句を言うのです。批判精神をもっていることが近代人の証でしょう。
個人的にキッツいのが、ミックが香おお尻を触るところ(既知の関係だから許されるだろう)とアキが自分からお尻を触らせるところ(そんな女はいない)です。気色悪いなと思って見ています。
以下のブログにも大変共感したので、貼り付けておきます。

blog.goo.ne.jp

東京千秋楽はライブ配信で見る予定です。
改変したショーを楽しみにしています。