ゆきこの部屋

宝塚やミュージカル、映画など好きなものについて語るところ。

月組『今夜、ロマンス劇場で』『FULL SWING!』感想

月組公演

kageki.hankyu.co.jp

ミュージカル・キネマ『今夜、ロマンス劇場で
原作/映画「今夜、ロマンス劇場で」(c)2018 フジテレビジョン ホリプロ 電通 KDDI
脚本・演出/小柳奈穂子

ジャズ・オマージュ『FULL SWING!』
作・演出/三木章雄

新年早々行って参りました。
もはや宝塚大劇場が私にとっての神社といっても過言ではないので、実質初詣です(笑)。
くすのきで幕の内も食べましたし(予約がとれてよかった!)、演目も明るくおめでたいというのにふさわしかったでしょう。
ただ、れいうみは『ダル・レークの恋』『桜嵐記』『川霧の橋』と濃厚な芝居が続いておりましたし、私自身もそういうのが好きなタイプなので、今回はちょっとライトめだったかなーという気はしています。
原作映画はどうやらどこかの動画サイトで松の内くらいまでは無料で見られるらしいですが、映画を見ないで観劇することを私は強くおすすめします。
私は夏くらいに1度映画を見てボロボロ泣き、年末に大掃除の傍ら流してボロボロ泣いたクチなので、たぶん映画に思い入れができてしまったのでしょう。
マチネの観劇は「良かった! 良かったけど、こんなもの、か……?」となってしまい、2回目は、「まあお披露目公演だしこれでよかった」という感じになりました。

小柳先生の演出はさすがで、映画でしか表現できないところをどうするのか、時間の都合もあるだろうし、映画とどう変えてくるのか、というのは楽しみでしたし、実際にセブンカラーズで娘役の出番を増やしてくれたり、美雪を追いかけて出てくる大蛇丸が大事なことを健司に伝えたり、願いが叶う論理としてディアナ様を創作したり、非常に演劇として見やすくなっていたと思います。
思いますが、なんというかそれは「今の小柳先生ならこれくらいはできるだろう」という範囲の話であって(何様だと言われても仕方が無いのですが……)、なんかもうちょっと飛躍したものというか想像を超えてくるものがあったら良かったのかなと思います。
でも、お披露目公演としてはとてもスッキリわかりやすくラブラブハッピーなので、それはそれでとてもいいことなんですよ……っ! 本当に!
だからあとは好みの問題かなという気もします。もっと大人っぽい二人が見たかったのでしょう。正直、私は映画の方が泣いちゃったくらいだし。

れいこ(月城かなと)は顔の美貌に押しやられて、あんまり気がつかれないのかもしれないですが、とにかく演技がうまくて、上に挙げた3作品も美貌+芝居で良かったなと思う場面がたくさんあるのですが、今回の牧野健司という役は、どちらかというと冴えない青年で、映画監督を夢見る、そして映画のお姫様に恋しちゃうような、改めて言葉にするとちょっとアブナイ系。けれども、それを芝居でそう感じさせなくて、観客席では、最後の盛り上がりにかけて、じわじわと右肩上がりにテンションが上がっていきました。
こういう地味な芝居というか、受け身のタイプの役こそ、芝居のうまさというのがにじみ出るもので、そういう意味ではれいこの演技のうまさが際立ったと思います。
すっとこどっこいな貸し切り公演の挨拶やうっかりオカリナを忘れてくる事件なんかも、まあ愛嬌ですね(笑)。
オカリナ、見つけたんじゃなかったんかーい! 小さすぎて見えないのかと思ったけど、違ったー!ってなりました。まあ、そういうこともある。
舞浜はショーということだけど、芝居要素もふんだんにありそうですし、今から楽しみです。
問題はチケットです。とれるのか……っ!? 超絶行きたいんですけど……っ!?

うみちゃん(海乃美月)は本当に輝いているお転婆姫で、れいこと一緒に真ん中にいることがこれくらいスッキリ納得できる娘役なんてそうそういないぜ!という感じで、とても良いです。
小柳先生が『歌劇』の座談会か、ネットのインタビューか何かで「娘役なんだけど、彼女の殺陣も期待」みたいなことをおっしゃっていたのですが、はい、とても良かったです。映像だけかと思ったら、ちゃんと芝居の中でもチャンバラしてました。楽しいな!
本多と一緒に撮影所にやって来たとき、健司と本多(本多役のるうさんとれいこの演技の相性が良すぎてビックリするレベル)が話している後ろであっかんべーしているうみちゃんも可愛いし、映像で大蛇丸に岩を投げつけようとしているうみちゃんもかわいいし、どの衣装も大変よく似合っているし、どこを切り取っても最高だよ、うみちゃんっ!とハンカチをぎゅっと握りしめちゃいますね。は~好き!
最初にモノクロ映像から、舞台に変わるときの演出も素敵だったけれども、最後に同じような演出にプラスして衣装に色がついたとき、あのチラシの白黒ドレスが月組カラーの黄色(黒の部分は緑)になったときの感動たるや……っ! すげぇ!
これは演出ももちろんすごいのだけど、れいうみという美貌のコンビの成せる業よ!と思ってみてました。すばらしい。
緑の衣装も紫の衣装も水玉のスカートもどれも可愛かった。ブログラムにあった赤と黒の衣装は舞台では使われなかったけれども、こちらもとても良かった。着せ替え人形だわ。

観劇中は、ただ美雪が健司のことを認めるのが早かったかなーとは思いました。
オカリナを見つけて「健司」と名前を呼ぶところですね。
一昔前に「ツンデレ」という言葉が流行りましたが、私は「デレ」は本当に最後の一瞬だけでいいタイプなので(めんどくさい)、おお、早いなと思ったのですが、プログラムを確認すると全部で16場のうち8場に相当するので、意外とそうでもないのかな?
最後も「王子がそう言うなら、ここにいてやるか!」みたいな台詞が銀橋でありますが、別に健司は王子でなくてもいいかなと思うのですよね。
ラストの舞踏会との整合性もあるのでしょうけれども、こここそ名前で良かったのでは?と。
きっと、ロマンス向きじゃないんだな、私(苦笑)。
ところでうみちゃんは「王女様」なのか「お姫様」なのか。作中では両方の呼び名がありましたが、そんなことが気になるのは私だけか。すいません。「お転婆姫」大好きです。

ちなつ(鳳月杏)の俊藤も最高でしたね。予想できたこととは言え、最高でしたね。
「おいらはニヒルな悪魔払い~♪」ってやばかったですね。出てくるだけで笑いがとれる。足を組むだけで笑いがとれる。というかいつも思うけれども、足が長すぎる。
こういう役って意外と宝塚では「普通」になりがちになってしまうので、どう料理するかとも思いましたが、さすがでした。
圧倒的な信頼感。そして圧倒的な昭和の香りを連れてきました。ふぅ~! 最高~!
2番手ということもあり、ラスト近くでは健司に対してちょっと説教めいたことをいう場面が長くなっていましたね。
映画でももともとありましたが、ここは宝塚ですからね。主人公の健司の背中を押すのが、ちなつの役で良かったと思っています。
ほら、昨今いろいろヒヤヒヤさせられるからさ……(花組の2番手羽根とか)。
できればチラシにあったように黒ストライプの白スーツも着て欲しかったような気もしますが、それはからんちゃん(千海華蘭)が社長として着ていたし、難しかったのかな。
あとは、銀橋を渡ってくれても良かったのよ~!>< なんならセブンカラーズを引き連れて!

ありちゃん(暁千星)の大蛇丸もいい感じにまとまっていました。
こちらは俊藤とは違う意味で、また出てきただけで笑いが起こるし、タンゴはすばらしかった。いや、本当にすばらしかった。
後ろの従者二人もおかしかった(褒めています)。ぱるくん(礼華はる)とじゅりちゃん(天紫珠李)ですね。
美雪のことが好きで映画から出てくるという話だったので「れいこ、うみ、ありちゃんの三角関係になるのか……それはちょっと……ちなつを差し置いて……」とかなり不穏に思っていたのですが、美雪のことが好きなわりに映画から飛び出してきても美雪に会わずに帰るし、恋敵である健司にきちんと代償の説明をしてあげるし、なんだ、すごくイイ奴じゃん!となりました。
もっとも大蛇丸は健司の部屋に来た時点で、健司を恋敵だと思っていない可能性はありますが。
気がつかないのもそれはそれで大蛇丸のキャラクターとしてはアリだと思います。なんせあの間抜けっぷりよっ!
ありちゃんはこれでまた新境地を開いたのかな? トップになるとこういう役がなかなかないので、今のうちにいろいろな役をやっておくといいですよね。
そして衣装は『龍の宮物語』の竜神のものだったかな? みっきー(天寿光希)にこんなところで会えるとは……(会ってません)。ただ、プログラムの写真にはやっぱり驚いちゃいましたね。
俊藤より小さいものの大蛇丸の写真もあり、スチール写真はちなつと同じ大きさの写真……これは穏やかでない。彼女の責任ではなく、これはもう劇団の責任に違いないですが。
ちなつをどうしてくれるんだ、劇団よ。私はちなつ×みちる(彩みちる)が見たいぞ。

そしてゆの(風間柚乃)。見る度にスターオーラが大きくなっていくのが目に見えてわかりますね。
今回はなんせバウ主演のあとですから、余計に。
山中の役は、配役発表の前はありちゃんだと思っていたのですがゆのだとわかって、驚愕。
これじゃ、健司は脚本で勝てないのでは……? だって、ゆの、めっちゃおもしろいコメディとか書けそうやん!とかなんとか思っていたのですが、いい味を出していました。
ショーで、ゆの、やす(佳城葵)、からんちゃん、さち花姉さん(白雪さち花)、あきちゃん(晴音アキ)の5人が銀橋に残ったとき、このメンバーで大喜利をやったら最高に楽しいのでは?と思った記憶があります。いや、やるべきでしょ……!
期せずして、やたらとコメディ要素の強い5人で中詰銀橋を拝みました。
芝居では、たらいを持って下手にはけていく場面で、たらいを被っていましたが、被るの好きなのかね……?
『ピガール』のときも、バケツをかぶっていましたよね……?と思いました。かわいい。
原作にはありませんが、塔子さんとお幸せに!と言いたくなるようなラストも、いかにも宝塚的ですが、それでいいのでしょう。

塔子さんはもうこの人しかいなかったわ! みちるちゃん! 雪組からの組替えで忙しかったと思いますが、すばらしかったですわ! こういう役をやらせたらマジで天下一品だな。嬉しい。
れいうみコンビが好きだから、この二人がトップになったことはとても嬉しかったけれども、その後にみちるちゃんの組替えが発表されて、そんな『星逢一夜』の新人公演のコンビやん……れいみち……と思ったし、今でも思っているけれども、みちるちゃんはしっかり者でえらいわ。ちゃんと塔子さんでした。
映画では京映の事務所に彼女の机がありましたし、電話もとっていましたから、京映に勤めていることがわかりやすかったですが、芝居だとちょっとそこがわかりにくかったかな、とも思いますが、それは演出の問題であって、みちるちゃんの問題ではなく、みちるちゃんは与えられた範囲でとてもよく芝居をしていました。
それだけにうみちゃんとの場面は辛い……っ!
あのあとふざけた三銃士(褒めてます)が出てきて笑わせてくれなかったら、やってられない場面だよ、あれ……つらぁ……。
私は『CH』の冴子みたいな役よりも今回の塔子みたいな品のあるお嬢様の役の方がみちるちゃんは好きだなあ。
お転婆姫がぴったりだったうみちゃんと持ち味が違うからこそ、これからも何卒、みちるちゃんもよろしく頼むよ、活かしてくれよ! 劇団!><

セブンカラーズはいかにも小柳先生!という感じですが、素敵でした。こういうの、絶対に必要でした。
センター黄緑のかれんちゃん(結愛かれん)がまだ新人公演世代なんて考えられないよ……ビックリだよ……と思いましたし、もしみちるちゃんが組替えしてこなかったら、塔子さんはぜひ彼女に演じていただきたかったと思っているほど。
セブンカラーズは目が忙しくて、なんせ濃い青(藍色)担当のらんぜちゃん(蘭世惠翔)、橙担当のこありちゃん(菜々野あり)もおりますし、らんぜちゃんとこありちゃんはかれんちゃんを挟んで反対側におりますので、どこ見たらええっちゅうねん!って感じです。はぁ、可愛い。
セブンカラーズが最初に出てくる場面には、結髪さんとしてそらちゃん(美海そら)も出てきておりますので、もう目が足りないのなんのって。
基本的に娘役大好きなので、このあたりだけでもかなり忙しいのですが、月組はるねぴ(夢奈瑠音)、れんこん(蓮つかさ)、ぎりぎり(朝霧真)、まおくん(蘭尚樹)あたりも出てきたらつい目が行ってしまうので、本当に大変。真ん中が豪勢なだけではない!と思えるのが今の月組なんですよね。それだけに、彼女らにももっと出番を!と思ってしまったのが、今回も芝居でした。

三獣士はれんこん、英かおと、柊木絢斗の三人。
苦労人の狸吉、けんかっ早くて問題児の寅衛門、喋れない鳩三郎とおもしろいトリオでした。
現実世界に飛び出してきても鳩三郎は喋れないんかい!と思わずツッコミを入れてしまいましたね。あれは反則w
しかし大蛇丸はこの中では一番鳩三郎が苦手のようなので、本当にいい役でした。
確かに鳩が苦手な人っていますよね、現実世界にも。

このトリオといい、大蛇丸といい、美雪といい、こちらの世界に来る代償が「人のぬくもりに触れられない」という、なんというかわかったような、わからんような設定なのですが、映画のときもこれはひっかかっていて、結局芝居でもひっかかりがとれなかったです。
「人に触れられない」ではなくて「人の『ぬくもり』に触れられない」って何なんでしょうね、結局、みたいな冷めた人間なんですよ。
例えば「一番好きな人に触れられない」というのなら、まだわかるかもしれません。
けれども、美雪にいたってはここから数十年こちらの世界で暮らすことになるわけで、そんな誰にも触らないで生きていくことなんて現実問題として無理だろうと思ってしまう。
最後の最後に美雪は健司の手に触れて「あたたかい」と言いますが、そんな死にそうな老人(失礼)の手が本当に温かいのか?とも思ってしまう。いや、温度的な意味のぬくもりではないことはわかっているんだけどさ。
なーんかいまいちスッキリしないのよねーと思うと、やっぱりロマンス向きじゃないんだな。
あの指輪を渡す銀橋の場面だって、うっかり指が触れることもあるんじゃないの?とうがった目で見てしまう。
美雪が年をとらないことについて、京映でかつて一緒に仕事していた人はどう思っているんだろう、と考えてしまう。
ついでに言うなら、映画のときも思ったけれども、京映倒産後ロマンス劇場の運営で生計を立てている健司が、そんな可愛い緑のワンピースを買ってあげられるのか、とか思ってしまう(映画では二人デ暮らしている家も映りましたが、なんていうか貧乏そうではなくて驚いたんだよね……)。
物語の核心に触れる部分が納得できなくても泣いてしまった映画とマスクの替えが必要になるくらいまでは泣かなかった芝居とで、やっぱり受け取るものとして私の中で何かが違ったのでしょう。
だから個人的なポイントがすごい高いわけではないけれども、大劇場お披露目公演としてはなかなか良かったのではないかなと思える作品だという感じです。上から目線ですいません。
思い切り真ん中二人を見るための芝居ですから、前の方の席で一度くらいは見たかったなと思います。
今後の席もセンター席ではあるのですが、結構後ろばかりなのが無念。

さて、お次はショー。芝居は素人向きでしたが、こちらは玄人向けかなという感じです。
ショーではちなみちの場面を期待していただけに、辛かった。
ちなつのジゴロの場面、あきちゃんは生き生きとしていて良かったし、マネージャーの部分はいかにもあきちゃん!という感じだったけれども、ここはみちるではダメだったのか?とか、『SV』のだいもん(望海風斗)、しょうちゃん(彩凪翔)、娘役あーさ(朝美絢)を連想させるような「ミッドナイトイン巴里」でもファムAはみちるちゃんじゃダメだったのか?とか思っちゃって大変でした。
しかしレモンイエローという月組カラーのドレスで銀橋を一人で歌いながら渡るみちるちゃんは最高に可愛かったし、歌も上手くなっていた。「猫の落書きみたいな~♪」「なんて辛い毎日~♪」超キュートだな。良かった。ちなつとみちるで何卒何らかの別箱を頼みますよ、劇団さん。
みちるちゃんよ……っ!(なんだ)(応援しています!)

ジャズといえば裏拍、だと思っているのですが、これがまたしんどそうですね。
貸切公演なんかだともう目も当てられないという……下手に手拍子するくらいならオペラを覗いていた方がいいかもしれません。
もっともプロローグでは最初の総踊りで手拍子が入ってしまうので、下級生を確認する時間があんまりないのが痛いところです。
そんなわけでソワレ公演は2回目の総踊りになってから手拍子をすることにしました。
パレードでも手拍子は難しそうでしたね。とほほ。星組ファンからレクチャーを受けた方がいいかな。
スカステでもこういう曲のときは裏拍!みたいな番組があるとおもしろいかもしれません。
お披露目公演のショーでプロローグの後、トップコンビが銀橋に残るのは『Ray』でもありましたが、やっぱりいいですねー!
二人の特別な公演という感じがマシマシになって、私はとても好きです。

キンキラ女神は一瞬だったじゅりちゃん、早着替えで次のジゴロの場面ではビューティーズとして最初から出ています。
結構着替えが大変そうだな!?と思う場面は結構あって、芝居でも最初のところは看護師で出てきたけれども、次はもう大蛇丸の従者として出てきていたから、驚きました。
「超人気ジゴロ」にどうして「マネージャー」がついているのかはよくわかりませんでしたが(笑)、もうちなつの足の長さを見ればそれでヨシ!となります。現場猫のようです。
からんちゃんとみちるちゃんが踊っているのですが、芝居で親子の二人が踊っているのは感慨深かったし、身長は同じくらいでした(笑)。
みちるちゃん、ガンガン踊るやーん! 素敵! そしてその反対側で同じようにガンガン踊るかれんちゃん。
こありちゃんもそらちゃんもいるし、目が足りないっての! 人数出し過ぎのような気もしますが、これくらいないと華やかさに欠けるのだろうなという気もするから難しいところ。
あとここの記者を演じている副組長(夏月都)がとてもキュート。すごい副組長なのにキュートなんだよ……っ!

ジャンゴの最初の場面は蝶からでしたが、娘役二人が担うはずだったらしい蝶は小道具に変わり、席が遠いとなんなのかちょっとわかりにくくなってしまったのが残念ですが、どうしたのでしょう。
そしてこの場面でもみちるちゃん、かれんちゃん、らんぜちゃん、こありちゃんと娘役が忙しい。
るうさん(光月るう)がマスターのカフェだから流行るのはわかるけどね! 目が足りないわい!
もちろん真ん中のれいうみも見たいところ。
恋人のうみちゃんよりも先にるうさんがれいこジャンゴを見つけるのは、おもしろいw
けれども、すぐにマスターは恋人からギターを預かって、恋人がすぐにジャンゴのもとに飛び込めるようにしてあげるの、とても優しい。さすがるうさん。
楽しく踊った後に、また死の象徴である白い蝶が現れて、ふらりとそちらへ向かってしまいそうになるれいこジャンゴを恋人のうみちゃんが必死で引き留める、うう……! こんな芝居も見てみたいぜ!

中詰のお衣装の色味がとても好きで、本当に見ていて飽きなかった。
でも中詰だからみんな出てくるし、本当にもうどこを見たらいいのかわからなくて、しまいにはオフオペラでスターを確認してからオペラを見る有様だった。これがコンタクトの威力よ、すばらしい。
マスクをしていると、オペラが曇りやすいのも難点ですが。
中詰の最後はみんなの顔が見えるように、舞台後方には階段があったし、袖にもけっこう人がいたし、ああやってジェンヌたちの顔がしっかり見える場面をつくるのはさすが三木先生。ありがたい。

「ミッドナイトイン巴里」は本当に誰もビンタされないし、メイン3人は誰も死なないし(売人が最初に撃たれてはいる)、前回に引き続き治安がいいですね。『SV』で治安が悪かったのはやはりだいもんの成せる業なのか。
結局うみちゃんジャンヌがちなつマックスのもとに戻るのも、フー!となりました。マックスなのに娘役をビンタしないなんて……と『ワンス』を思い出すなどした。あれもあーさが叩かれていましたね。
れいこモーリスは悔しさを自分で消化しようとして踊り狂っておりました。
あれ、ジャンヌがマックスのもとに戻らなかったらマックスに撃たれているだろうし、マックスのもとに戻ったら戻ったでモーリスに撃たれていてもおかしくないんですよね。
れいこモーリスは知的でえらいぞ。
ただプログラムの「噴水がキラメク!」はどうかと思ったよ、三木先生……。
ここのじゅりちゃんのところはみちるちゃんではダメだったのか、と思っていたら、次の銀橋渡りはじゅりちゃんの方が先だったので、やっぱりみちるちゃんにしようよ、と思いました。
じゅりちゃん、さっきから着替えが大変すぎるだろう!?

グランドフィナーレの「S23A」では、プラグラムを見るとみちるちゃんとじゅりちゃんが出てくる予定になっていますが、出てこず、デュエットダンスをするうみちゃんと一緒に3人娘で出てきます。
そういう演出はあっても、もちろんいいのだけれども、せっかくのお披露目公演のデュエットダンスなんだかられいうみに集中させてくれよ、れいみちが踊っているの見ると、ちょっとしんどくなるやん……って思いましたよ。
思い切り大人っぽい優雅なデュエットダンスが見たかったんだが、それは次に期待することにします。
銀橋で背中合わせのラストは格好良かったですけどね! 相棒!パートナー!って感じがたまりませんでした。
それにしても同じ作画よ、美しい……。

レッドフレアはあきちゃんのシンメでおはねちゃん(きよら羽龍)。
芝居から目立った役が多いですが、私はあんまり好みではないことも手伝ってか、ここのシンメはさち花ねえさんでも良かったのでは?と思ってしまいました。すいません。 でも、彼女も化粧がすごくうまくなってきたなと感じています。
下級生の成長スピードはすさまじいから、写真も毎公演取り直してあげればいいのに……。そしてあきちゃんとさち花姉さんのパンツスタイルは最高に格好良かった。クール!
シンメといえば、パレードのこありちゃんとそらちゃんのシンメは超キュートでした! 目福です。
エトワールは、基本的にちゃんと一人と決めて歌わせてあげた方がいいと思うよ。
『BADDY』みたいな作品の方が例外だと思っているんだけど、前回の花組しかり、劇団側はエトワールを一体なんだと思っているのだろう。
少なくとも私としては、すごく大事な役目だから衣装も替えて欲しいし、自分一人にスポットライトが当たるという経験を積ませることはとても重要だと思っているのですが。
何かをごまかされているような気分になるので、ああいうのはあんまり好まないかな……。

月組ですから、芝居にはますます磨きがかかっていくでしょう。
ショーの拍手はどうかな、良くなっていくことを祈ります。
今日も休演者が発表されて心配ですが、まずは大劇場千秋楽まで、無事に公演できることを祈っています!