ゆきこの部屋

宝塚やミュージカル、映画など好きなものについて語るところ。

望海風斗CD「GIFT」-NOZOMI FUTO-感想2

超超今更ですが(発売したのが去年の年末だなんて嘘のようだ)だいもんのCD、円盤の感想、行きまーす!

shop.tca-pictures.net

ちなみにCDの感想はこちら。

yukiko221b.hatenablog.com

だいもんのスペシャルブルーレイBOXの発売も発表されて、いろいろめでたい!
本当にコロナからの政府の要請で休演になったこと以外はな!!!


「好きで歌っていることと収録すること、聞いてくれる人がいること、がいることは別。
だからすごく嬉しかった。
けれどもこんなに大変だとは(苦笑)。」

このCDに対するだいもんの意気込みと終わってからの素直な感想が最初にあります。
本でいうところの「はじめに」というよりは「目次」みたいな感じでしょうか。
CDを作る過程の見通しがわかる言葉でした。

最初に何を歌うのか、吉田優子先生と相談。
だいもんが「これを歌いたい」という曲をリストアップするのですが、当然のことながら10曲をあっという間に越えてしまうので、さらに選び抜く作業となります。

「花舞台」は、やはり初舞台作品を歌いたいという気持ちが強いようで。
しかし歌っている途中に淋しくなってしまうような一面も。
去年はたくさん同期生が退団していきましたからね。

「花に散り雪に散り」は、『忠臣蔵』をやって欲しいというファンの方のリクエストに答えたものだそう。
こういうときにファンのことを考えてくれるだいもん、本当にすばらしい。
「自分の初舞台作品の曲」が最初で、その次に「ファンからの希望曲」という順番も素敵だなあ。
カレンちゃん(千風カレン)も「望海さんに歌ってほしい曲」と言っていたので、だいもんファンがだいもんに望んでいることは、やはりこういう路線なのかw

「初めて見た朝日のように」は、2019タカスペ候補曲にもなっていたようです。
音楽学校の受験のときによく聞いていた曲で思い入れがある模様。
まみさん(真琴つばさ)も喜んでいるだろうよ。

あとはゆりちゃん(天海祐希)関係というのは、さもありなんという感じ。
だいもんの宝塚魂はここから始まっているのだものね。
だからこそ、だいもんのタカラジェンヌとしての軌跡というよりも、だいもんの宝塚人生の軌跡をたどっているなCDになったのですね。

優子先生からの提案で、何かスペシャル的なもの、たとえば「作品メドレー」や「曲のアレンジを全く変えたもの」なんかも可能だという話になって、空気がときめくのが円盤でもわかるw
最終的には「作品メドレー」で『エリザベート』メドレーを歌い、「アレンジを変えた曲」として「アマール・アマール」の両方を歌い上げたのだからすごいものです。
声帯とか肺活量とかどうなっているんだろう。不思議。

実は、優子先生が初めて音楽学校に教えに行ったのが89期生。
それを含めると優子先生はタカラジェンヌになる前のだいもんも知っている。
成長を目の当たりにして、「感慨深い」と繰り返されていました。
そんな優子先生に自分のCDの監督をしてもらえるということで、だいもんの方も思いがあふれている様子。
ファンの時代から、この素敵な曲はどなたの曲だろう、と思ってプログラムで確認すると「吉田優子」と書いてある、遠い人。
宝塚の歴史の中でも大きな人。
音楽学校では恩師である。
そんな遠くて大きな人が自分のCDの監修をしてくれる。なんて喜ばしいことだろう。
ぐっと近くなったことで自分の大きさを実感するだいもん。
ここに夢をかなえたオタクがおる。

『エリザ』のメドレーを考えるときの考え方も基本的にはファン目線のだいもん。
もちろんルキーニを演じたことがあるから、ルキーニの曲は入れようってことになるのだけれども、トートは代役でやったことがあるし、どうせだったたルドルフも入れたいし、というふうに。
もちろんそのほうが聞き応えがあるのですが、ファンとしては非常にうれしいのですが、これを考えているときのだいもんは「自分が何を歌いたいか」というよりは「聞いていて楽しいのはどういうものか」という視点であって、こちら側の人間であることを再認識する。
優子先生が曲と曲もつなぎを考えながらピアノを弾いている隣で「もう感動」とのたまうだいもんw
宝塚のファンやー! 仲間!
もっとも、ルキーニは一度自分が歌ったことがあるだけに「こんなんじゃなかった」と煩悶することもあったようですが。こだわってますねー!
ハモリも収録するから、これはもう大変! 止め撮り確定!
「今、自分が誰なのかわからなくなるw」

優子先生も「だいもんと私のピアノで絶対もつ」と言い切る。
ああ、これがプロの芸術家だなと思った。
日本人って謙遜や謙虚が美徳と言われることが多いけれども、自分の実力を客観的に推し量って「これならできる」と胸を張って言うことも時には大切であるはず。
ビートバンならぬ太鼓判を自信をもって押す優子先生、キャー! 格好いい!><

だいもん自身も曲が仕上がっていく過程がすごく楽しかったようで、できたものを提示されて歌うのではなく、歌う曲そのものを一緒に作り上げていくことの感動が大変よく伝わってきました。
「こうした方がいい? ああした方がいい? じゃあ、やってみようか。今度はこっちはどうだろう」という思考錯誤が楽しいのですよね。
こういうのがやってみたかった、という。
本当に「Music is My Life」を地で行くような感じ。
この一連のドキュメンタリーをだいもん自身も非常に楽しみにしていた。
好きなものについて、侃々諤々するのって楽しいものね。

さて、CHIAKIさんにすっぴんが美しいと言われるだいもん。
素直に「やったー」と喜ぶだいもん。かわいいな。
ジャケット撮影のため、化粧なしでスタジオを訪れて化粧をしているとCHIAKIさんに勘違いされるのですな。
「すっぴんみたい。やだ、きれい!」と感想のCHIAKIさん。
そんなCHIAKIさんのメイク本はこちら。
大変参考になりました。

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カリスマ感を高めるために短い眉!
ひー! 格好いい!
宝塚の男役っぽさも残しながら、だいもんらしさも残しつつ……。
すごいなあ。いいなあ。プロのメイクさんのアドバイスが私も欲しいでござるよ。
私は眉が描けない女。

それにしてもジャケット撮影ってものすごく時間がかかるものなのね!
終わったときに「おひるー!」と言っていたので、午前中いっぱいはかかっている。
どういうことだよ……ジャケット以外にもポストカードなどのグッズも出たとはいえ、一体何枚撮ったのだろうか。すごいなあ……。
数を打たないとよいものが生まれないという例ですな。
被写体はだいもんだから、もちろんだいもんがにこにこしているのですが、時折、カメラマンさんとか周りを笑わせる側に回るだいもん。芸人魂ですな。

しかしやはりジェンヌの労働環境が気になる所存。
きぃちゃん(真彩希帆)との練習も公演の後にやったというし、某ジェンヌに聞いた話では、公演チラシの撮影も公演後、深夜すぎまで続いたというし。
乙女たちの労働環境を整えてあげてくださいー!><

だいもんのCDを出すにあたって歌唱指導を頼まれたちあき先生。
ちあき先生としては「だいもんに歌唱指導、いる?」と思ったくらいらしいのですが(笑)、声の調整とか収録のときの声の調子もあるだろうし、ということで引き受けたそうな。
だいもんとしては光栄の極み。ファン時代に見ていた方に教えてもらえるなんて!?と。
会うだけでパワーがもらえる、元気になる、エネルギーが出てくる、ついでに喉を癒してくれる人という感じらしいです。
ちあき先生、マジすごいな。
『20世紀号に乗って』のオスカー・ジャフィーを演じていたときも声が出にくくなって、公演しながら声を治していくことになったときにアドバイスをもらったのはちあき先生だとかあ。
しかし、これってよく考えたら、大変なことだな。

「は」が強いと優子先生に言われると、だいもんの「はなの」というフレーズがふわっとなる。
言われたことをすぐに直すことができる。それだけの能力がある。
自動車学校で似たようなことを言われたことがある。
教官に「〇〇して」と言われて、指示通りにすると、「理解が早い」と言われた。
こんなものではないのか?と思ったけれども、たぶん歌に関して同じことはできないなw
そしてだいもんはきぃちゃんに対して、これまた同じようなことを思っているのが印象的でした。
「こうしてみて」とアドバイスすると、すぐにそれが返ってくる。だから信頼できる、と。
なるほど。どんな場面でも信頼関係というのはこういう風に作られていくのかと思った。
そしてトップまで上り詰める人の努力はもちろんですが、才能ってやっぱりあるのかな、と。

「花舞台」のレコーディングは一発OKをもらうのですが、「初舞台性として歌ってみて!」という優子先生からのリクエストに応えて、二回歌っていました(笑)。
CDならではですね。
同じようなことが「さよならは夕映えの中で」でも起こっていて、レコーディングそのものはすんなり終わったのですが「夕日の中でトランペットを吹いているイメージ」「その自分に酔いしれているイメージ」で歌って!という、これまた優子先生からのリクエスト。
おもしろいことを思いつく人だ……。
そしてここで明かされる新事実。
オスカー・ジャフィーのヒゲはレット・バトラーをイメージしたもの、とのこと。
性格は全然違うけどなw
だいもんのオタク魂を感じる。

「Joyful!!」は聞いても楽しい、歌っても楽しい、そして雪組の曲!という視点から選んだようで。
そして「あんまり自分が歌っていなさそうな曲」とも言っていて、笑ってしまいました。
そうだね、その通りだね……。
音符がぎゅっとしきつめて並んでいる曲ですから、聞いている分には楽しかったですが、歌うのは結構難しかった模様。練習しているだいもん素敵。

「未来へ」のコーラスチームへのドッキリ作戦。
そして見事にドッキリを成功させる。
コーラスチームが練習しているところにカメラをもってだいもんが静かに入っていくのですが、だいもんに気が付いたときの「キャー!」がすごかった。
毎日のように一緒にお稽古しているのではないのですか?というくらいみんなだいもんのファンになっていた。
ちないに最後にはだいもんがドッキリを仕掛けられる側になります。

コーラス隊の「だいもんへのお願い」。
いろいろあったけれども、ひらめちゃん(朝月希和)の「私をイメージした曲を歌ってほしい」ってめっちゃわかる。
すごい贅沢なことだというのはわかっているけれども、既存の曲でいいので、だいもんの解釈で歌ってほしい。めっちゃわかる。
きっとみんなもやってもらたいやつや。
あきちゃん(叶ゆうり)の「デュエットしたい」に対して、「ダンスじゃないよね?」というだいもんのボケはきっと一生忘れない。そんなわけあるかいな! 歌だよ! ソング!
コーラス隊と接点がないままCDが完成するのを惜しむだいもん、本当に格好いい。

きぃちゃんとのお稽古。
南部弁は喉を癒す、らしい。本当か?
お稽古なのに、ちあき先生からは「明日収録でもいい」と言われるくらいの完成度。
きぃちゃん頑張ったのね。よく伝わって来るわ。
だって「今なら言える」というだいもんにとってとても大切な曲を一緒に歌うということの意味を考えると、きっと一人で超自主稽古したんだよね。
すごい高い音だから、つらかったろうに……そしてこれをよしこ(麻乃佳世)が歌っていたかと思うと、涙ぐむ。
だいもんの信頼に応えようとしているきぃちゃん、とっても素敵です。
そして自分の出番が終わったら見学を申し出るきぃちゃん、さすがです。
「見学料とる」とかいってあしらっているだいもんも素敵です。
最後のサプライズでも「また来たの!?」とか言われていたしw
ちなみにきぃちゃんの「だいもんへのお願い」はただのヅカオタな内容だったのですが、それに対して、だいもんが返答をじらしている姿がおもしろかったです。
やっぱり軽くあしらわれているね?
しかしこの見学がなかったら「エリザメドレー」にきぃちゃんはもしかしたら出演していなかったかと思うとそれはそれで不思議ですな。
「闇が広がる」のルドルフを最初にちあき先生からは提案されていましたが、自分から「夜のボート」と言ったのは強気である。
それくらい歌に自信があって、頑張れる、これならできる、という自負があるのだろう。素敵。
収録のときは「今なら言える」を聞きすぎて、プレイバックを聞いたとき天海さんの声じゃなくてがっかりした、とのたもうておりましたが、だいもんファンはだいもんの声ですごく嬉しいって思うから大丈夫!

「アマール・アマール」の最初の音はなんだろう、とCDを聞いたときに思ったのですが、まさかの手作り感あふれるあの音とはw
気になる人はブルーレイをチェックすべし!
だいもんが自分でも言っていたけれども、「アマール」って何度言ったのだろう……。
数えた人、いますかね?
『ノバ・ボサ・ノバ』本編で聞くよりも好みな感じに仕上がっている。すばらしい。
ありがとう、だいもん。ありがとう、優子先生。

Music Clipには「今なら言える」「Joyful?」「アマール・アマール」「初めて見た朝日のように」の4曲。
全部で10曲しかないのに、4曲も! あちがたや~! なんまいだ~!(それは組が違う)
まだ買っていない人は急いで買って視聴するのだ~!