ゆきこの部屋

宝塚やミュージカル、映画など好きなものについて語るところ。

花組『はいからさんが通る』ライブ中継・第一幕感想

花組公演
ミュージカル浪漫『はいからさんが通る

kageki.hankyu.co.jp

原作/大和 和紀「はいからさんが通る」(講談社KCDXデザート)
(c)大和 和紀/講談社
脚本・演出/小柳 奈穂子


楽天TVさん、そしてその楽天TVさんに配信をお願いしてくれた宝塚の親元である阪急さん、本当にありがとうございます。
7月18日(土)、たいへん楽しくお家でライブビューイングしました。
そんなわけでようやくその感想です。
基本的には初演との比較になります。
記憶違いもいくつかあるかもしれませんが、手元に初演のプログラムがないので、ご了承ください。

それでは第一幕の振り返り、行ってみよう!

れいちゃん(柚香光)の開演アナウンス。
いつもとは異なり、「みなさまにお会いできる日を心待ちにしておりました」という一言が付け足され、もう涙が止まらない。
「えーい、やあ!という紅緒の大変意気のいい声から始まるところは同じ。
いいですね~この始まりは大好きだったので、変更なしでとても嬉しいです。
紅緒と蘭丸のやり取りはアニメでも好きだったなあ。
紅緒の衣装の矢絣は花の模様が以前よりも増えましたかね。前回は袖だけだったのが、身ごろの方にも。
自転車も出てきて、これでオープニング曲か!?と思いきや、高屋敷要登場。
この物語の語り手として新しく書き加えられている高屋敷の役割は園遊会のときも目立ちます。
園遊会ではその代わり環の位置が少し下がったかなと思われます。

そしてオープニング曲「大正浪漫恋歌」。
最高ですね。やっぱりこの主題歌、大好きやねん!と膝をうちながら見ました。
嘘です、号泣していました。タオルを1枚ダメにしました。
1番は変更なし。2番は蘭丸と共に環が登場、鬼島と共に高屋敷が登場、そして編集長が「哀しみの時にも~♪」と一人で登場。
さいっっっっっこうだな!!!!!
とにかくこのね、あすかとおとくりちゃんの100期コンビが可愛いので必見です。

そして少尉が花村家に向かう途中に紅緒と出会うのは同じですが、その前に少尉の美貌を強調するために、周りに女学生たちが周りでひそひそと。
ここの女学生のここちゃんがとても可愛いので必見です。
女学生たちはみんなかわいい。
もともとあった場面に台詞ややりとりが付け足されるというのは、なくても成立した場面ということもあり、ちょっと蛇足っぽくなってしまうのが難ですが、この場面は全く蛇足だと感じませんでした。
すばらしい。ぱちぱち。
「そこのけそこのけはいからさん♪」

そして紅緒が暴走自転車でやってきて、勝手に一人でこけるw
リボンが曲がっているのは同じですが、曲がっているリボンを直すために近づく距離が前よりぐっと近づいておりませんこと?
いやあ、この2年でれいちゃんと華ちゃん(華優希)の距離も近づいているのね~!
そのあと紅緒が去って、少尉のソロ「僕のはいからさん」が追加。これもよかった。

紅緒は学校で女学生にいじられているかと思いきや、真ん中ですでに首から「忘レ物」「遅刻」の木札を下げてバケツを持って立たされているという図。
他の女学生の前で先生にみっちりしぼられております。
ここの場面を舞台写真に選ぶ華ちゃんのセンスが大変好きです。
そうそう、紅緒はこうでなくっちゃね!
そこに環登場。「平塚らいてう先生もおっしゃっています。『原始、女性は太陽だった』と」
特に「私たちは殿方に選ばれるのではなく、私たちが殿方を選ぶ」という台詞は好きだったのカットされなくてよかったー!
おとくりちゃん(音くり寿)の環はいつか豹変するのでは? 裏切るのでは?と『蘭陵王』や『花より男子』で鍛えられたファンは疑惑をもってしまいますが、大丈夫です。
最後まで紅緒の味方です。ありがたや。頼もしい。

紅緒と少尉が再開。家の庭の大道具が豪華になりましたね。
竹刀で戦う紅緒が本格的になっていました。
なんせ華ちゃんはステイホーム中に自分で竹刀を買って(稽古よりもずっと重いらしい)自主稽古していたというのだからさすがです。
最後、少尉が紅緒から一本とるシーンではちょうどリボンをが落ちて、「あらあら」という感じが増して大変によろしうございました。
きっと偶然のできごとで、そういう演出ではないのだろうけれども、紅緒らしくてとても良かった。

紅緒と少尉の祖父母の話は別箱時とメンツが変わらなかったこともあり、磨きがかかっていました。
別箱のとき、この「瀬をはやみ~♪」は録音だったでしょうか。
うららちゃん(春妃うらら)の歌声が聴きたいなあ~。あ、フィナーレは最高でした。

家出先の浅草では芝居小屋のセットとお衣装が追加。
その隣で芝居の邪魔をするかのように牛五郎が自分の車の宣伝。
挙句、芝居の客に怒られてしまう。牛五郎の子分も追加された模様。
そこに紅緒と蘭丸が登場。
「私が結婚したくないって言ったら、それなら僕と駆け落ちしようって蘭丸が言ったんでしょ!」という台詞は「私が結婚したくないって言ったら、浅草のご贔屓がなんとかしてくれるって蘭丸が言ったんでしょ!」と変更。なるほど、御贔屓がなんとかしてくれるのか。
こちらもなんとかしてあげよう!という気持ちになりますね。
キャトルでいっぱい買い物をします。

紅緒と牛五郎の対決は真剣白刃取りめいた場面が追加され、そして失敗。
しかしこれはフラグに過ぎなかったことを、私たちはのちに知ることになる。
紅緒のオレンジのドレスが新調されましたが、水色のドレスの方が好みだったかなー。
紅緒と牛五郎がお酒を飲んでいるところに少尉と環が登場。
華ちゃんの酔っ払いの演技にグンと磨きがかかっていて、千鳥足は本当に千鳥だし、「目が据わっているよ!」という蘭丸の言葉通り、本当に目が据わっている。怖い。そこをアップで写すカメラワーク、最高かよ。
本来ならトップ娘役にさせる顔ではないのだろうけれども、紅緒さんはそういう人だよね!
そしてそれを体当たりで演じる華ちゃんが本当に素敵。
大暴れの紅緒の助っ人をそれとなくする少尉もきちんとカメラに収めていただき、恐悦至極。ありがたや。
ピピーと警官が来て、少尉にビンタされて、負われて逃げる紅緒。

伊集院家では執事とメイドがずらり。
執事とメイドの人数こそ増えて迫力が増したものの、社会的距離を考慮しているようで、空間があるような。
もっとも主役の二人はべったべたにくっついているけどね! そういう話だからね! しょうがねぇ!
紅緒の登場は自転車から人力車に変更。牛五郎の子分たちもついてくるよ。
選挙カーみたいに手を振っている紅緒さんが可愛い。
そして御前が登場。牛五郎の真剣白刃取り再び。そしてここでは成功する。
思えば『GOD OF STAR』でもあーちゃんが真剣白刃取りをやっているし、なほたん、好きなんだな。
伊集院伯爵夫人のあのかわいいおばあちゃん感がにじみ出ているのがさすが美穂圭子。すばらしい。

紅緒のソロ。「はいから極道」は別箱時よりもうんとうまくなっていて、みりおのところで花嫁修業した甲斐がありましたね……っ! さすがです! 発声から見直したと思われる。
しかもそこで銀橋を渡るのですね! もう最高じゃないですか。
もんぺのアンサンブルで少尉の壁ドンからそろーりそろりと逃げていく姿も可愛くて、そのもんぺのアンサンブルにも磨きがかかっています。しかしやはり歌声にかかっている磨きのほうがうんとすばらしいです。
本当に華ちゃんの成長が感じられるんだよね、特に一幕は。
ちなみに二幕は少尉(れいちゃん)の成長が感じられる。特に芝居で。

花嫁修業がしんどい紅緒。そりゃそうだ。
「先週も、先々週も、先々々週も浴衣の縫物」の宿題を忘れるくらいだからね、まあそうだよね。
「ごはん抜き!」と言われて、はらぺこ紅緒のところにサンドイッチを運ぶ少尉。
そして食べながら寝てしまって自分の肩に頭をもたれかけてくる紅緒にときめいてしまう少尉。
ちょっと肩がぴくんって動くんですよね。少尉の演技がすばらしい。
細かいからこういうのはきっと楽天TVでないと見られなかっただろうな。改めて感謝。

牛五郎が新聞を読みながら「米騒動」についてぶつぶつ。ちょっと台詞が増えましたね。
関東すみれ組再び。牛五郎の「さくら組」というボケは変わらなかったけれども、紅緒の「パンジー組」は「たんぽぽ組」というボケに変更。
頭にたんぽぽも咲いています。
より幼稚園児のクラス分けのようになりました。
ちなみにわたしは「さくら組」「すみれ組」だったことがあります。

園遊会では少尉と高屋敷のやりとりが圧倒的に増えて、環とのやりとりが減った。
「いつまで紅緒を引き留めておくつもり?」という台詞もなかったような。
高屋敷が環にメロメロなところはあったけれども。
新しく追加された高屋敷の台詞がちょっと説明みたいになっているのが残念かな。
まあひとこ(永久輝せあ)の出番を増やさざるを得なかったから仕方がないのでしょう。
そしてひとこが出ているのに、ハッピーエンドになる不思議。

園遊会のドレスも新しくなってしました。前回は水色でしたが、こちらはTHA娘役という感じのピンク。
階段を下りるときは、遠慮なくドレスの裾をあげて、周りからは小さい悲鳴が。そりゃそうだな。
ちなみに階段の大道具のセットも変わったのですが、前よりも段数が減ったのはちょっと残念だったかな。
でたらめに踊ろうとしているのか、でたらめにしか踊れないのか、とにかくでたらめな動きをする紅緒の手綱をとってきれいに踊る少尉がすばらしい。

紅緒がこける。「メイド風情がいいがかり?」「どうせ着馴れないドレスの裾でも踏んだんでしょ、お里が知れるわ」これは『花より男子』でも見たやつや。「静香さんのパーティーなのにカジュアルパーティーなわけないでしょ?」ってやつや。怖い。

蘭丸が皿を割って、さらに紅緒が9枚割って、御前に殺されかけたところ。
「見ていたならどうして止めてくれなかったの?」という台詞は「少尉、やっぱりここは私の居場所じゃないわ」と改変された。これはよかった。そのほうがしっくりくる。
「見ていたなら」ってそりゃ見ていたに決まっているだろwと思っていたから。
そうだよね、紅緒は伊集院家を自分の居場所だと感じられなかったんだよね、というのが伝わってきてよかった。

花村家に戻ってきた紅緒を母親の白い喪服と共に追い出す父親。
「そうだ、花之屋に行こう!」という場面はまるっとカット。これも賢明かと。芸者さんが出てくればわかるものね。
伊集院伯爵家でのやり取りもまるっとカットされていました。
紅緒が帰ってきた場面で台詞はちょっと合流していましたが。
芸者の数が増え、芸者の見せ場も増えましたね! これぞ宝塚って感じでした!
壬生義士伝』の銀橋ずらりといかないのは、やはりソーシャルディスタンスでしょうかね。
大道具が変わったために、動きも大分変わりましたね。

編集長が上手からこそこそと。芸者が増えたので、逃げ場がなくなっているw
吉次さんとのやりとりのあと紅緒にぶつかり「はっ!女!」蘭丸にぶつかり「また女!」からのべたっと触って「じゃない」までの流れはほとんど一緒でしたが、蘭丸の「牛さん、あの人変態だよ」って台詞はカットされていました。残念。

印念中佐が入ってきてからはガラっと雰囲気が悪くなっている。
「こちとら女郎じゃないんだよ」という啖呵の切り方がすばらしかった吉次さんへの仕打ちがひどい。
やめたげてー! そしてひたすらちゃんばらをする。
しかし少尉の格好良い出番は変更なし。さすが~! なほたんはこれがやりたいんでしょ~!
「まさか民間人5人かかりで一般人にしてやられた(わけじゃないでしょうね)」という台詞は変更されてしまいましたが(そもそも5人ではなく増えたからね)、そのまま少尉がおんぶして紅緒を家に連れて帰ります。
上手袖です。注目。

あれよあれよという間に少尉の小倉行きが決まり、木登りする紅緒。
真ん中の階段に登っていた演出が銀橋の演出に変更。
これは木登りだし、高さのある階段を使った演出の方が好きだったかなーと思いつつ、そのあとのデュエット「風の誓い」が銀橋であったのはとても良かった。すばらしかった。
そしてこの曲で再び号泣。呼吸困難に陥るかと思いました。しんどかった。

シベリアに来てからの場面は大幅に増えましたね。
兵士たちとちゃんばらケンカして、力が有り余っているのでございます!と部下をかばい、営倉行きを避けた少尉は、隊全体でシベリア行きを命じられたことが鬼島軍曹の語りで明らかになりますが、これも少々説明っぽいといえば説明っぽいですが、時間的に小倉の場面をつくるわけにもいかないので仕方がないのでしょう。
しかし何度も思うけれども、この「営倉行きになる部下をかばってひどい目に合う上司」って完全にオスカルとアランなんだよなあ。
多くの人はれいまいでオスカルとアンドレを!と思っていたようですが、月組涼風オスカルで育った私にはオスカルとアランなんですよね……華ちゃんのディアンヌって超絶可愛くないですかね、ダメですかね。

シベリアでの戦いのダンスも完全にバスティーユを連想させるのはわかる。
軍人が増えたので、余計にそう思うよね。わかる。
鬼島が銀橋で歌うの最高だし、もうここは本当に男役の見せ場!って感じ。THE男役!
戦いの場面の時間も長くなり、いよいよ鬼島をかばったー!

遺体のないまま少尉の葬式。
宝石や遺産をせびりにきた親戚たちの台詞が増加。
吉次さんに「この日陰者!」とののしり続ける人たちに環が言うはずの「あなたがたっ!」という台詞はカット。
なんてもったいない。
白い喪服の紅緒登場。いつ見ても凛々しい。

そうこうしているうちにラリサが少尉を発見。
下手袖から倒れている少尉がせりあがって来るよ!

大体4分ほど押して一幕終了。