ゆきこの部屋

宝塚やミュージカル、古典文学など好きなものについて語るところ。

花組『元禄バロックロック』感想

花組公演

kageki.hankyu.co.jp

三井住友VISAカード シアター
忠臣蔵ファンタジー『元禄バロックロック』
作・演出/谷貴矢

井住友VISAカード シアター
レビュー・アニバーサリー
『The Fascination(ザ ファシネイション)!』-花組誕生100周年 そして未来へ-
作・演出/中村一

とりあえず今回は長くなりましたので、芝居の感想だけです。「元禄バロックロック」って声に出して読みたい日本語ですね!
ネタバレあります。できればネタバレなしで初見を見ることをおすすめします!
私もそれで楽しめたので!

花組、良かった! 良かったよ……っ!
楽しかった〜!だけなら、宙組『シャーロック』と同じですが、現代で上演する意味は花組の方が感じられましたし、星組『柳生』やタカヤ先生の前作『出島』よりもトップコンビの恋愛が描けていましたし、同じ和物と言っても月組『桜嵐記』とは全く違うアプローチを示したことにも、宝塚にとって意味があると思います。
本当、どれもできていないサイトーは修行してきた方がいいのでは?実は次の雪組大劇場公演もちょっと心配なのよね……。

作品が発表されたときも、相変わらずタカヤワールド!と思ったのと同時に、今時『忠臣蔵』?「忠義」?「仇討ち」?と思った人は多いのではないでしょうか。
雪組の『忠臣蔵』を久しぶりに見たときも、これはこれで感動するけれども、これをそのまま演じられたらちょっとかなわないなあ、と思ってしまったのです。
でもちゃんと主人公自身がその疑問を内面化していて、しかも我慢を強いられるのが下々のものだけではなく、ツナヨシ将軍自身も悲しみを乗り越えるというのが本当にイイ!

ビジュアルを見たときからアタリの予感がして、チケットをいつもより多めにとっておいて良かったわ〜。
大道具も衣装も良かったです。
ザ⭐︎大劇場の芝居!という感じの豪華さとテーマとの関連と、興奮しました。
開演前に上手の上の方でカウントダウンが行われるのも手に汗握る。もっとも十進法のカウントだなら手元の時計とは数字が異なる。このあたりも「今から違う世界線に行くぞ!」って感じでたまらない。
真ん中、上手、下手に和物から洋物までそれぞれ違うデザインの時計があり、鎖国をしていない日本というのはこういうところにも表れているな、と。
開演前の映像も幻想的で良かったし、世界観に没入できたから、この使い方はいいな。でもショーでは不要だった。
衣装も『出島』のときは袴がモチーフでしたが、今回は着物ということで、左と右で身ごろの布が異なり、袖と裾には違う布で縁取りがしてあり、袖は袖口に向かって開いていくタイプでとても楽しめました。お衣装部さん、ありがとうございます!

『出島』から引き継がれたと思われる「ヒロインの笑顔」と「科学力(カラクリ)」ですが、タカヤ先生は娘役に何かを背負わせることが得意なのかな、と思いました。
ヒロインが奮闘している、娘役の魅せ方にこだわりを感じます。
宝塚は往々にして男役を魅せる場所ですが、現実の男とは異なる「男役」なるものに寄り添う「娘役」もまた創造の産物であり、タカヤ先生の娘役愛を感じます。ありがとうございます。
ヒロインの笑顔のために頑張るトップスター、けれどもその男役よりも遥かに長い時間奮闘し続けてきたトップ娘役というのがよかった。
ヒロインを守るために男が何度もタイムリープしているのではなくて、愛する男を守るためにヒロインが何度もタイムリープしている。それがとても良かった。
娘役を大切にしているなというのは、例えば町人や賭場の娘たちにも名前が与えられていることからもわかる。

最初はあすか(聖乃あすか)のタクミノカミから。
メサイア』でもこんなポジションでしたね。
この衣装見て、タカヤワールドキター!って思ったよね。全身の血が沸騰するかと思ったよね。
やっぱりアタリ作品は冒頭から違う! ポスターやビジュアルから違う!
上手花道でコウズケノスケ(水美舞斗)とヨシヤス(優波慧)。コウズケノスケは天才科学者だったタクミノカミから時を戻す時計の設計図は奪ったものの、解読できず。
ヨシヤスはツナヨシ(音くり寿)のために解読を急ぐように急かす。
ヨシヤスの風体も良かった……なにあの、銀髪ストレートロン毛。やばい、性癖にささる。
下手花道では、クラノスケ(永久輝せあ)ら赤穂藩士たちが「喧嘩両成敗はどこいった!」とコウズケノスケにお咎めがないことを不満に思っている。
赤穂藩士のまひろくん(帆澄まひろ)、はなこ(一之瀬航季)がよくてですね……いや、本当に華ちゃんのディナーショー『華詩集』から2人が気になって仕方がないんですよ。花組全国ツアーも、ついはなこを追ってしまった。
そして真ん中の時計の下の部分がくるっとひっくり返ってクロノスケ(柚香光)が登場ー! キター!
もう少し派手な登場でもイイかなと思うのですが、カラクリを駆使するという点ではこれでいいのかな、と。
そして圧倒的存在感を放つ大きな時計。
これもうまいなあと思うんですよね。時計なんて小さいもの、映画ならともかく舞台でどうやって映えさせるのだと思ったら、物理的に大きくなっていた。すごい。しかもそれをもったまま剣を振り回す。最高かよ。

そしてオープニング曲。色とりどりのお衣装を着て全員集合。
まどか(星風まどか)の黒髪ストレートパッツン姫カットって考えたの、誰ですか。すばらしい。
姫カットの部分だけ赤を入れたのもいい。あのカツラ、どうやったら似合う人になれるの。前世でどれくらい徳を積んだらいいの……。
ビジュアル発表時から完全にCLAMPXXXHOLiC』の侑子さんやな、モコナ連れているんとちゃうか?って感じだったのですが、謎めいた発言を繰り返すあたりもまさしく。しかし侑子さんよりずっと純粋で素直な普遍的な恋する女の子の代表であった。かわいい。
この主題歌もいいよねえ。『はいからさん』同様一回で覚えられる。帰る道すがら「めぐるめーぐるときー♪」って思わず歌ってしまう。
主題歌終わりでスリの被害に遭うしょうみちゃん(真鳳つぐみ)。
それを時を戻してスリから財布を取り戻した上に、お礼のコインを要求するクロノスケ。
ちっっっさ!!! 器、ちっっっさ!!!って思ったよね(笑)。
こいつ、ロクな奴じゃねぇな!と思ったわ。
「号外だ〜!」と情報を持ってくるヨミウリはらいとくん(希波らいと)。
私にはたかこ(和央ようか)に見える(笑)。雪組忠臣蔵』も皆さん、ぜひ!

場面は賭場へ。ひぇ〜! 誰ですか、しぃちゃん(和海しょう)にあんなイケイケオラオラなキャラクターをやらせたのは!!!
私、聞いてないよ! ドキドキしちゃったじゃない!!! なんなの!!!とまたもや大興奮。
そしてここの場面の娘役ちゃんの、なんと可愛いことよ!うらら(春妃うらら)、ここちゃん(椿姫ここ)、みさこちゃん(美里玲菜)、そして潜入捜査しているあわちゃん(美羽愛)!!!
ちょっと聞いてないわよ〜! クノイチの役だって言っていたじゃない〜! こんなところにも出てくるなんて、聞いてないよ〜! 可愛いよ〜!
キラまどかに「丁?半?」と聞かれるのはなかなか刺激的だなとぼんやり思っていましたが、実際は「黒?白?」でした。惜しい!
「ラッキーこいこい♪」も思わず歌ってしまうわ。歌がいいわ。あとしぃちゃん。
いや、あのわたしはどちらかといえば落ち着いたしっとりしぃちゃんの方が好きで、オラついているしぃちゃんを見ると「あー! お客様! あー! それは! いけませんー!」と手を顔で覆いながらも指の隙間から見てしまうような感じなので、大変美味しくいただきました。やばい、沼にハマりそう。
「ラッキーこいこい」のときに登場するキラは何やら細長い棒のようなものを持っていて、え? ムチ? 真風から教えてもらったの?と焦りましまが、くるりと一回転したときに先に提灯がついているのを見て、一安心しました。
賭場でツヨツヨまどかの鞭を受けるとか、それはそれで何か新しい扉が開かれるような気もしますが、すみれコード的にOKなのかどうかはわかりません。賭場と鞭の組み合わせって怪しいことこの上ないからな。
しかしなぜ提灯だったのかは、よくわかっていません。あの賭場、地下で行われているのかな? あかりが必要なのかな。
クロノスケとキラはすでに顔見知りのようで、博打は当てまくるけれども恋愛はさっぱりなのを笑われる。
互いに名前を明かすところで、既視感を覚えるクロノスケに微笑むキラ。
「デジャヴ」という言葉は魔法の呪文のように不思議な響きを伴ってクロノスケに届く。
そうしてクロノスケは変わり果てた赤穂藩家老のクラノスケと再会する。クロノスケはそのままクラノスケの家へ。

ここからコウズケノスケの屋敷へと場面転換。
1人舞台に残って場を持たせるカエデのあわちゃん。
ひぃ〜! すげ〜! すくにツバキのみさきちゃん(星空美咲)に膝枕されたコウズケノスケがセリ上がりで登場するのだけれども、賭場の女としての顔とクノイチとしての顔を入れ替える、そのタイミングでの場面転換だから、多くの人があわちゃんを見ている。そういう場面を任されることの嬉しさよ……っ!
クラノスケがすっかり腑抜けており、復讐心などこれっぽっちも考えていない様子をカエデがコウズケノスケに伝えると、すかさずツバキは擬態ではないかと疑問を呈す。
しかしもちろんそれが見抜けぬコウズケノスケではない。
カエデはツバキの話を「そんなこと、わたしもわかっとるわい!」という顔をして聞く一方で、コウズケノスケの話を「さすがご主人様ー!」という顔をして聞いている。
顔で演技している。ちゃんと伝わる。あわちゃんの芝居がやはり好きだ!
そしてコウズケノスケの話を聞いているときのあわちゃんの顔がはちゃめちゃに可愛い。何なの、可愛い……。
初日映像でもこのあたりが切り取られていて、あたしゃ嬉しかったよ……っ!

クラノスケの家は随分ボロボロになってしまい、人物の変わりようとともに驚かずにはいられないクロノスケ。
ここのかがりり(華雅りりか)がとてもよい。クラノスケの妻として出てくるのだけれども、とてもいい。コミカルで、可愛くて、豪胆で(笑)。
この作品のMVPをくりすちゃんのツナヨシと争うくらいですが、この場面だけで圧倒的な印象を残したかがりりはやはりすごい、すばらしい。
花組はお姉さん娘役が不足しているように見えるから、とても頼りになります。
「ちょっとそのその辺の魚でもとってきます」と言って去るときまで笑わせてもらいました。演技、うまいなあ。
そして実はクラノスケは仇討ちを諦めていなかったことが観客に明かされ、クロノスケはキラがコウズケノスケの隠し子だと知らされる。

キラの部屋にまっすぐ向かったクロノスケを賭場の女たちがデバガメしているのもおもしろいですが(タカヤ先生の娘役愛を感じる)、そのままクロノスケがキラと「爛れた愛」に堕ちていくというまさかの唐突な展開にお目めが丸くなりました。
「爛れた愛」って奥さん!プログラムに書いてございましてよ!!!

一方エドの大広間ではツナヨシが愛犬を失った悲しみを忘れられず、時を戻す時計を欲している。
「見目麗しい少年将軍」であるツナヨシは、当然くりすちゃんなので、登場から歌う。歌って「だーかーらー♪」の前時の後、突然ロックになる。さすがすぎる。椅子からも降りちゃったよw
「生きとし生けるものを大切にする」と言っておきながら、途中で「せっぷく!」とか言っちゃっているけれども、しかしあの言い方、とんでも無くかわいかったな、という感想しか残らない。配役の妙ですね。うまい。
鎖国をしていない日本という設定なので、外国人も幕府の中に入ることができるらしく、ケンペルは相棒として死なない犬のAIBOをツナヨシにプレゼントする。私は笑えたけれども、AIBOってもはや知らない世代もタカラジェンヌになっているのでは……?と悲しい事実にぶち当たりました。相棒のAIBOwww
ケンペルは「ヨーロッパの学者」とありますが、やはりポルトガル人ですかね……?
鎖国をしていないなら、いっそポルトガルでなくてもいいような気もしますが、そのあたりは曖昧です。
まあとにかくくりすちゃんの可愛さが炸裂して、ケンショウイン(美風舞良)がくんコウズケノスケの元恋人だということがわかる。
2番手ともなると副組長を元恋人とし、トップ娘役を隠し子にし、銀橋で一曲歌っちゃうのね! まいてぃ、おめでとう!という多幸感に溢れていましたよ、この時は。

爛れた愛で堕落した生活を送っているクロノスケは、仲良くキラと賭場を経営。「爛れた愛」とは?とも思いますが、元赤穂藩士として真面目に時計の研究者として生きていたクロノスケにとっては、女と堕落した生活は爛れた愛に他ならなかったのだろうな、と。
いや、だってもっと爛れた愛に溺れちゃった人とかいそうだからね?! ほら、ドンジュアンとかさ!!!
彼に比べるとクロノスケは悠々自適に好きな女の子と暮らしているって感じですかね。可愛いもんよ。
金髪のボブのまどかも可愛いなあ! このやろう!
『出島』でも回想場面のカグヤは金髪ボブでしたね。もっともまどかは青メッシュが入っております。ひたすらに可愛い。
しかしその穏やかな生活もクノイチの乱入、クラノスケの混戦ということでパニックに陥り、なぜか楽しそうにしているキラと共に逃げていく。
あわちゃん、まさかトップスターとの殺陣があるなんて……私、聞いてないよ……身体がよく動くなあ、しなやかだなあ、さすがダンスが得意な子!
そしてここも初日映像に入っていた。ありがとう、劇団さん。

逃げた先で「君の本当の笑顔を見なければいけない」と言うクロノスケに、「一緒に花火を楽しみましょう」と返すキラ。それは二人の、ずっとずっと前からの約束だった。
時計の秘密を知っていて、しかも「私を信じて」というわりに肝心なことを話さないキラにクロノスケは業を煮やす。
花火見物が終わったら、全てを話すと約束するキラは風車を買ってはしゃぎ回り、花火の歌を歌う。
キラが作ったその曲を、なぜかクロノスケは知っていて、続きを歌う。覚えていてくれたことに喜ぶキラは賭場でラッキーの女神をやっていた頃とは全く違う顔を見せる。ただの、恋するあどけない少女だ。とても可愛い。
銀橋で明かされる「大きな時計は実は時を戻していない」、そして本当に時を戻す時計は「キラが作った」という事実から、かつて2人が辿った最初の物語が語られる。

松の廊下の殺傷事件の後、赤穂藩士のスパイとしてコウズケノスケの家に潜入操作に入ったメガネのクロノスケはそこで偶然世の中から隔離して育てられたキラに出会う。
このキラがまた可愛いんだ!完全に箱入り娘って感じの出立ちなんだ! はちゃめちゃに可愛いんだ!
これ、あわちゃんがやるんだよね?! サイコーだよ!!!
最初はコウズケノスケの情報を引き出すために近づいていたクロノスケだが、やがてキラに惹かれていく。
父親以外とまともに顔を合わせたことのないキラは当然、クロノスケに興味津々で、優しい彼に惹かれていく。窓の外から見える花火だけがキラの癒しだった。そして「いつか一緒に外で花火を見ましょう」と2人は約束する。

討ち入りの日、クロノスケはキラにカラクリ時計の設計図を渡して、彼女逃がす。
「自分の願いのために使うんだ。使わなくてもいい」という優しい言葉に背中を押されて、キラは逃げていく。クロノスケはクラノスケたちと無事に仇討ちを成功させ、切腹してしまう。
キラは「自分の願い」のためにカラクリの勉強をし、時を戻す時計をついに完成させる。
そうして何度もクロノスケを助けるために時空を旅する。
クロノスケを助けるためだけなら、松の廊下事件前まで時を戻せばいいだけのことだが、彼女の願いはクロノスケと花火を見ることに他ならない。だからそれはできない。
自分のエゴのために時計を使い続けたキラは時を戻す時計をクロノスケに預ける。そして、私たちが出会わない世界線に行くことを提案する。
これでタクミノカミは死なない。花火を見る約束どころか、2人が出会いさえしない世界に生まれ変わる。
ちょっぴり心は痛むけれども、自分はもう散々時計を使ったというキラの表情が何とも切ない!
うっかり泣いたわ!
キラがクロノスケとの出会いを諦められるのは、クロノスケと花火を見る約束を果たすことができたからなのだろう。
他の世界線では叶えられなかった自分の願いがようやく叶ったところで、キラは時間の檻から解放される。
これだよ!これが泣けるんだよ!!!
相手の願いのために自分を捨てようとするの!本当は花火を一緒に見ることができたこの世界線で同じ記憶を共有しながらクロノスケと生きていき続けたいのに、それをクロノスケの「松の廊下の殺傷事件をなくす」という願いのために捨てるの。なんで健気なの……!
ラクリの勉強だって、血の滲むような努力でやったに違いない。他人から教えを乞うわけにもいかないから、一人で、たった一人でキラは戦って時計を完成させて、そのあとも孤独に戦い続けてきたんだよね!
自分の好きだけが募っていき、相手はいつでも初めましてという顔で近づいてくる。それがどれほど辛かっただろう。まるで『まどマギ』。
それでもキラはクロノスケを救わなければならなかった。救って一緒に花火を見たかった。彼女の願いはそれだけだ。
父であるコウズケノスケに「ツナヨシのポジションにいたのはお前かもしれない」と言われても、にべもなく「そんなものは望んでいない」という。そうだよ、権力を欲しがっているのはいつも男で、そのために争いを起こすのも男で、しかも勝手に死ぬんだもんな?!許せんよな?!女は平穏な日常しか求めていないからな?!
娘役に夢見すぎな設定であるかもしれないけれども、むしろこんなベタなことは宝塚以外でやったら寒気がするだろうと思うから、これでいいの。
あとクロノスケ、コウズケノスケ、クラノスケ、タクミノカミが4人で歌う場面もいいですよね〜!
こういう演出は宝塚以外にもあるけれども、あの華やかさと美しさがまさにザ⭐︎宝塚!って感じがする。

「今度はあなたの願いを叶えて」と渡された本当に時を戻す時計を、しかしクロノスケはあっさりと放り投げて川に捨ててしまう。
困惑するキラに対して「あの部屋から君を解放できたかもしれないけれども、今度は時空の檻に閉じ込めてしまった」とクロノスケは言い、「桜を一緒に見よう」と次の約束まで取り付ける。なんでいい男になったんだ、クロノスケ。
最初にすられた人から小銭を強請った人間と同じとは思えないぞ!
そうして新しい物語を2人で作り上げていく。

クロノスケはクラノスケと接触し、キラはコウズケノスケのもとに一度帰る。それぞれがそれぞれの責任を果たすことで、もう一度会おうと約束する。
クロノスケは仇討ちに必要やお金を持ってクラノスケに協力をすることになり、キラは何度も繰り返してきた時空の中で知ったカエデの思いを上手に誘導し、ケンショウインとコンタクトをとることに成功する。
争いに終止符を打つため、2人は新しい戦いを始める。あわちゃんも登場する。忍者服、可愛い。

討ち入りに乱入するツナヨシは「両者即刻和解し、この国のために努めること」という罰を与える。
刺激的すぎるな。最高だよ。愛犬を失った哀しみをツナヨシ自身も乗り越えた。だからコウズケノスケと赤穂藩士たちに下される罰にはより説得力があるし、現実的だ。
ツナヨシがレッドカーペットから意地でもはみ出さないぞ!という意地を見せるのも可愛い。
ピリオドのキーとなるダイガクの存在はもっと早くから観客に示していても良かったかなと思うのですが(なんなら私はダイガクのいない世界線だと思っていた)、ダイガクの衣装が『義経』であーさ(朝美絢)がフィナーレで着ていた衣装だったので、そちらに意識を持っていかれてしまった。
いや、あれ、好きなんだよね……『柳生』でもかりんたんの衣装が好きだったから、ああいうのに弱いんだ。わかっているさ。

ラストも良かった。
クロノスケが助けた人間から小銭をせびるような人間でなくなっていたのがよかった!真人間になった!
キラと2人で下手の花道からはけていくのもよかった!
『桜嵐記』『柳生』とここ最近、この手のラストが続きますが、良いのです。幸せにハッピーに終わったのはこれだけなのです。よいのです……っ!
ありがとう、タカヤ先生。これはもしかしたら東京も行くかもしれないな。でも同じ時期に月組が大劇場でやっているから難しいかな、行きたいな。

ツイッターでは「次は国際都市ナラで繰り広げられる天平アールヌーボー」というテーマがおもしろいのではないか、という話があり、なるほどおもしろい!と膝を打ちましたが、私としては「宇宙と交信することでミチナガを助けるセイメイ」とか「地獄と現世を行ったり来たりするタカムラ」の話とかもやって欲しいな!と思っています。
金太郎飴みたいに同じように見えるかもしれないけれども、きっとその度に新しい発見をもたらしてくれる! はず!とタカヤ先生のことは信頼できます。本当にありがとう!
ショーの感想はまた後日! あわちゃん、大活躍でしたね!