ゆきこの部屋

宝塚やミュージカル、映画など好きなものについて語るところ。

星組『JAGUAR BEAT-ジャガービート-』感想3

星組公演

メガファンタジーJAGUAR BEAT-ジャガービート-』
作・演出/齋藤吉正

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ジャガビー』のすごいところ。

舞台を見て、わからないな、と思った場面について、プログラムの解説を読むと、さらにわからなくなるところ。

そういうわけで、今回は公演プログラムの解説を考えていきたいと思います(ツッコミを入れるともいう)。
引用は特にことわりがない限り、宝塚大劇場公演のプログラムによります。『歌劇』の「座談会」も参考にしています。
ショーとはいえど、芝居仕立てで、通し役もある。かといって、お芝居ほどガチガチに構成がなくても歌って踊って楽しければヨシ!という傾向があるのもまたショーの魅力。辻褄が合わないじゃないか!と怒り狂うというよりも、その辻褄の合わなささえ楽しんでいきたいと思います。

ヨシマサは足し算と掛け算しか知らない盛り盛り演出という評判ですが、それは芝居やショーの演出にとどまらず、実は文章も一文が長い、だから一文に情報量が多い、ついでにいえば点も少ない、いわゆる典型的な悪文なのですが、このわからなさというかでたらめさがこの作品の世界観とよくマッチしていて、もはやなんともいえない気持ちになります。声に出して読みたい日本語では決してないが、妙に味がある、ように見える。たぶん。でも読みにくいよ!

●1st FANTASY「HELL DESERT」

「宇宙空間に浮かぶ名もなき星の荒廃した砂漠ーー。かって花が咲き、生き物が歌う桃源郷であったその場所は、ブラックパピヨンの首領・マーリンたちにより侵され、今は生気をなくし、荒れ果てた姿となっていた。宇宙を旅する幻の鳥クリスタルバードは、彼らの襲撃により片翼をもがれてしまう。しかしクリスタルバードが恋の担い手クピドの歌により渾身の力で舞うと、荒廃した砂漠に奇跡が起こり、舞台には極彩色の植物、色とりどりの花々が息吹く。そして一つの尊い新たな命が生まれるーーJAGUARの誕生である。」

マーリンは「ブラックパピヨンの首領」、クリスタルバードは「宇宙を旅する幻の鳥」、クピドは「恋の担い手」とそれぞれ名前と属性・役割が別々に書いてあるにもかかわらず、なんと「JAGUAR」だけは「JAGUAR」。それが名前なのか、属性・役割なのかは、一見するとわからない。
このあとの場面で「俺の名はJAGUAR」という台詞があるから、名前だということがかろうじてわかるが、ではこの「JAGUAR」は私たちが普通に思い出すような動物のジャガーとは違うのか、と言われれば、そうでもなさそうな。オープニング映像のJAGUARは間違いなく、われわれのよく知る動物の姿をしていたからだ。ちなみにいえば、クリスタルバードはさながら鳳凰のようなビジュアルであったことも記しておく。
けれども、もちろん動物のジャガーがあらゆる植物が芽吹いたところに自然発生するはずもなく、だからつまり見た目は動物、中身は概念、みたいなそういう感じ?で、いいの???
最初からわけがわからないし、どうしたらこんな設定が思いつくのか、全くわからない。すごい。本当にすごいよ、ヨシマサ。
この論理でいくと、つまり「バファロー→バファロー」ということだろうか。

そしてJAGUARはクリスタルバードが作った世界の中で産声を上げるの? 母なる大地ってこと? そのクリスタルちゃんに惚れた挙げ句、翼の入った花束をプレゼントした上に、最終的にはその翼で天国に行き、クリスタルちゃんとデュエットダンスをするの??? 
すごい。全くわからない。どうしたらこんな設定を思いつくのか。いや、まじですごい。
このあたりついてはこの記事が参考になったので、紹介しておきます。

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ところでこれは完全に妄想なのですが、「ブラックパピヨン」というグループがあるから、きっと「ホワイトパピヨン」というグループもあったはず。ホワイトパピヨンの首領は女で、ブラックパピヨンに殲滅させられた……と、思いきや、奇跡的に宇宙空間に逃れることができた戦士がたぶん3人くらいいる。女首領もきっとなんらかの形で生き残っている。それこそ鏡の中に閉じ込められているだけで、命はまだある。つまり、『セラムン』におけるキンモクセイの彼女たちを思い出す。
誰か、前日譚くれ。くらっち(有沙瞳)の通し役がないのはつまり、そういうことか? ホワイトパピヨンの女首領か??? そういや、ありちゃん(暁千星)とよく歌って踊っていたもんな。
白の女王とか言われても全く驚かんな。後述あります。

●2nd FANTASY「JAGUAR BEAT」

「クリスタルバードの涙が奇跡を呼んだ!荒廃した砂漠から、舞台はかって存在した熱帯のサバンナ、極彩色で彩られた伝説のジャングルへ。」

クリスタルバード、プロローグから奇跡を起こしまくりな件について。すごい。さすが、ひっとん(舞空瞳)。幻の鳥。さすが、クリスタルバード。私自身、自分が何を言っているのか、そろそろわ、わからなくなってくる頃だよ。

「名もなき星の救世主JAGUARの誕生を祝う謝肉祭と化す、華やかで壮大なプロローグ」

生まれたばかりなのに、すでに「救世主」扱いのJAGUAR。なぜ。どちらかといえばメシアはクリスタルバードなのではないのか?!?! 翼の片方をもがれていながら、渾身に舞を披露して、大地に自然の息吹を与えた上に、JAGUARまで生み出したんだよ?!?!
片翼をもがれたクリスタルちゃんに、最初に寄り添うのが娘役のクピドっていうのがいいな。最後も車椅子を押しているのはクピドちゃんでしたし、これもいい。シスターフッドが描かれている。
クピドちゃんの恋のお相手は誰ですか?! でもクピドちゃんに恋のお相手がいなくてもいいのです。恋愛至上主義にならないところもまたよいところだからです。

そして何度でもいうが、ここのジャングルレディの歌手の鳳花るりなちゃんがめちゃめちゃ可愛い。品のあるギャル。

ロックスターになりたいらしいJAGUARくんのソロからロケットへ。最後の掛け声が「ジャガービート!」ではなく「ビートビートビート!」というところに何らかのこだわりを感じる。

●3rd FANTSY「PARADISE JUNGLE」

「バファローは美しい翼を手に、女たちを虜にしていた。」

なぜマーリンが奪ったはずのクリスタルちゃんの翼をバファローを持っているかは、特に気にしてはいけない。「ノーリアル! イエスファンタジー!」だから(気が早い)。
マーリンは魔法使いだから仕方がないか〜!と一時期は思っていたけれども、プログラムの解説のどこを読んでもそんなことは書いていない。私はなぜマーリンを魔法使いだと思っていたのだろうか。猛獣使いを読み間違えたのか、バカすぎないか、大丈夫か。
『歌劇』の「座談会」には「トランプのジョーカーのようなもの」と言った意味合いの発言があるから、そこから来たのかな。まあ、ジョーカーなら魔法使いとほぼ紙一重だよね!(そうか?)
それかアフロディーテと対になっていると思ったから、魔法が使えると思ったのかな(後述)。

「レディ・クリスタは、バファローに勝負を挑む。『私が勝てば、片翼を返してもらえるか』と。」

倒置法を使っているあたり、ここにヨシマサの気合いを感じる。他のセンテンスはあんなに長いのに。
レディ・クリスタがまず自分の力で翼を取り戻そうとするのがまず良い。すばらしい。拍手。そしてもちろん取り戻すし、もちろん横槍が入る。そう簡単にクリスタルちゃんのもとに翼は返らない。
この場面、相当好きだよ。目が足りない。

●4th FANTSY「MACHINE GIRL」

「街を彷徨うJAGUARはクラブから出てきた愛しのクリスタルバード(レディ・クリスタ)をキャッチする。」

キャッチするってwww  いつの時代の用語www
ただのナンパになってしまうような気がするけど、それでいいのか?
JAGUARの気持ちはただのナンパ程度なのか?!?!と思わないわけではないが、まだ名前も知らないもんね、仕方ないね。ヨシマサショーだからね、気にしないよ。やっぱり気にする。ちょっと用語がやはり古いかな。

「束の間の彼女とのランデブーに心躍るJAGUARだったが、ふとした瞬間クリスタルバード(レディ・クリスタ)を見失ってしまう」

ランデブー?!?!ランデブーだった、あれ???JAGUARくんの完全な片想いだったと思うよ??? 完全にアウトオブ眼中だったよ???
いや、この銀橋の場面、結構好きなんだけどね!!!

「やがて、JAGUARは綱渡りの少女マシーンガールと踊り始めるがーー。」

マシーンガールはうたち(詩ちづる)。
なんとなくJAGUARはここでマシーンガールと心を通わせているような気がする。ように見える。
けれども少女は動かなくなり、彼女が持っていた翼を申し訳なさそうに取り、去って行き、ものすごーくムーディーな曲調で歌う。あえていうなら、本作で唯一と言っていいくらいの「緩急」で言うところの「緩」の場面。
クリスタルちゃんの映像が後ろに現れますので、もちろんJAGUARはクリスタちゃんを思って歌うのですが、突然理由もわからず動かなくなってしまったマシーンガールへの哀愁のようなものを感じるのは私だけだろうか。場面のタイトルも「CIRCUS」ではなく、「MACHINE GIRL」なんですよね。意味深。
最終的にうたちが2人の天国デュエットダンスのカゲソロを担当することを考えると、マシーンガールにJAGUARはクリスタルちゃんを見出していたとは言えないだろうか。

●5th FANTSY「CRYSTAL FANTSY」

「黒曜石(トヒル)の鏡に閉じ込められたクリスタルバードを救い出すため」

ちょ、ちょっとまったー?! いつ? いつクリスタルちゃん、鏡に閉じ込められたの? いつの間に? 実行犯は誰? でも鏡が割れる前にクリスタルちゃん、出てきているよね??? ものすごいギャルな感じで髪の毛をリボン結して頭のてっぺんに乗せている姿で。む、むじゅんだー!!(気にしてはいけない)
ちなみに『歌劇』の「座談会」では「鏡の世界に迷い込んだクリスタルバード」とあるので、『鏡の国のアリス』みたいた世界を想像していたけれども、なんか違った……。

ヒルとは、調べてみると「血を欲する神」で、人間が生贄にされたこともあるという、なんとも禍々しい神。この場合は、だから、クリスタルちゃんが生贄になったということでいいのかな?
「オリジナルリメイク」しているということですが、もはやどこがオリジナルなのか。詳しくない私には全くわからなかった……ごめん、ヨシマサ。

JAGUARくんが鏡に閉じ込められているのかとも思ったよ。もっとも、鏡が割れる前にJAGUARくんも出てきてはいるんだけどさ。でも、ゴッドゴレンジャーたちは鏡が割れて喜ぶんだよね? だからやっぱりクリスタルちゃんなのか? マーリンではなく、バファローが鏡に閉じ込めたの? 何のために? 翼が欲しいなら、最後に持っていたのは、やっぱりJAGUARくんだよね?

これがもしマーリンが鏡に閉じ込めたと言うことなら、マーリン、もしかしてクリスタルちゃんのこと、気になっている? だから自分のものにしたくて鏡に閉じ込めたの?ホワイトパピヨンもそうやって倒したの?(妄想)(完全に『セーラームーンR』の影響です)だからここのありちゃんには「マーリン」の記述がないの?バファローはあるのに???みたいな妄想がいくらでもはたらくのだけど、でも、違うんだよね。なんなんだ。

鏡を割るゴッドゴレンジャーのセンターはせおっち(瀬央ゆりあ)で、バファローで、鏡にクリスタルちゃんを閉じ込めた張本人で、その人を真ん中にしてカラーゴッドたちが並ぶけど、彼らは鏡を割りたいんだね? そういうこと? どういうこと?
敵がセンターにいるのか……も、もうよくわからくなってきたぞ。

ジャガー獣をテペヨロトルという神に見立て描かれるアステカ神話のエピソードをオリジナルにリメイクし、美しく、摩詞不思議なレヴューシーンで綴る豪華絢爛な中詰シーン」

アステカ神話はよくわからないけど、摩訶不思議はわかりみが深すぎ。
調べてみると「テペヨロトル」とはそのまま「ジャガーの神」だとか。ここだけ公演解説も「JAGUAR」ではなく「ジャガー獣」と表記されているのは、そういうことなのか?(どういうこと)

黒の神が「テスカトリポカ」と言われる最強の神で、キリスト教では悪魔と同一視された神のことかな?とか。
赤の神は「ミシュコアトル」と言われる狩猟と戦争の神のことかな?とか。「赤いテスカトリポカ」とも言われるとか?
アステカ神話は難しいし、それをオリジナルリメイクされたから、さらに難解になっている。すごいよ、ヨシマサ……。

●6th FANTASY「NARKISSOSー星の砂漠の恋人たちー」

ここで初めて日本語の副題がつきます。

「名もない星の砂漠の物語。」

ここで、なるほど!と膝を打つのは、つまり、今までも場面ごとで違う星での物語であり、それぞれがパラレルワールドのようにつながっていると考えれば、似たような登場人物たちが全然違う世界観の中に生きていることは納得がいくな、ということです。
「荒廃した砂漠」という最初の設定にも通じますが、これはマーリンによるものではなさそうだということは次の一文でわかります。

「宙を旅するナルキッソス(マーリン)は名前を失ったアナザースターで美しい青年アメイニアスに見込められ二人は愛し合う。」

読点が一つもなくてとても読みにくいw
「名もない星の砂漠」と最初に書いておきながら、続けて「名前を失ったアナザースター」と説明する。くどいわw
「宇宙」ではなく「宙」にもこだわりを感じる。クリスタルバードについては、「宇宙を旅する幻の鳥」とあるのに。
ジョーカーはいつのまにかナルキッソスになる。

ナルキッソスに恋焦がれていたアフロディーテは激怒し、アメイニアスに魔法をかけ彼らの心を奪ってしまう。」

アフロディーテが激怒するのはわかるが、アメイニアスに魔法をかけたのに、心を奪うのはアメイニアスだけではなくナルキッソスもなんだ……。アフロディーテの怒りがすさまじいことがわかります。
と、いうところまできて、もしかしてアフロディーテはホワイトパピヨンの女首領、白の女王だったのではないか?!と思い至る。どこまでも妄想の話です。あしからず。
そりゃブラックパピヨンに星を殲滅させられた恨みもあろう、ただ殺すのではなく、心を奪うというやり方もものすごくよい。さすが女神という感じがする。これが女の復讐よ。
最後に高笑いしているくらっちが忘れられないのだ、素敵すぎるのだ。

水仙といえば、白い花を思い出す人が多そうですが、ここで「黒スイセン」というのも上手いし、だから連動して語り手三人も「黒い貴婦人」「黒い吟遊詩人」なのでしょう。いかにも、おしゃべりが好きそうな語り手ですわ。

●7th FANTASY「THE PURPLE COMMANDO」

JAGUARは敵国に住む愛しのクリスタのもとへクリスマスの約束を果たすため、掟を破り営舎を脱走する。」

JUGUARの敵国ってどこ? クリスタルバードが作った国でJAGUARは生まれたのに、2人の国は敵同士なの? 『ロミジュリ』なの? 
そんなツッコミはノーセンキューです。だってパラレルワールドだもん。違う星での2人の話だもん、と思えばいいのか、なるほど。

で、でもさ……「クリスマスの約束」って何?w
クリスマスの約束するくらい仲良くなっちゃったの? え、いつのまに? しかも「営舎」って何? JAGUARはいつのまに兵士になったの? 掟を破って脱走するのは物語のセオリーだけど、え、ごめん、全くついていけないよ!!! どこからインスピレーションがわいてくるの、ヨシマサ先生!!!
と、思ったものの上記で紹介した記事を読んである程度はすっきり。なるほど、元ネタがあるのねー。

「プレゼントのウイングフラワー(翼花)のブーケを手に都会の繁華街を抜け彼女が待つ泉へと急ぐJAGUAR

ウイングフラワーという発想は天才ですね!
ところで、繁華街でバファローに会うのはわかるのだが、営舎は繁華街近くというか、そこをこえたところにあるのか? 兵士が繁華街近くにいるというのは穏やかでない世界だな。そして突然出てくる「泉」。営舎ってこういう自然の中にありそうなイメージもあるんだけどな。

なぜクリスタルバードは泉にいるのか。バードなのだから、山や里のイメージだが、とにかく泉にいる。そしてなぜか車椅子に乗っている。無理やり解釈すれば、渾身の力で世界を生み出し、涙で奇跡を起こし、様々に姿を変え片翼を探してきたが、とうとう力尽きたということか? 残った片翼も動かない象徴?

マーリンは最初から侵略者で治安が悪い感じがしていたけれども、バファローはただの残念なナルシスト、徹頭徹尾ダメな男の典型だと思っていたら、こちらもまた治安が悪い感じで、マーリン同様、部下らしき男女を引き連れている。そしてバファローと動物の名前を冠してはいるものの、武器は極めて人工的。殺伐とした銃。前場アフロディーテとは異なる。

「想いを通わせた大切な命を奪われ悲しみに暮れるJAGUAR。類を流れる初めての涙”悲しみ”を知り”愛”を知るJAGUAR

ここで愛を知るの? 今までクリスタルちゃんを追いかけていたのは何だったの? 愛ではなかったの? 自覚、なかったの? 名前のない感情だったの?!
むしろそれであそこまでクリスタルちゃんのために行動できるのはすごいわ。

「彼の涙は翼となり、クリスタが待つ天国へとジャガーを誘う。」

いつの間に死んだの?! しかも片翼で天国まで飛べたの?!
クリスタルバードの翼、激強だね! そりゃ、マーリンも奪いにくるわ!

●8th FANTASY「CRYSTAーガラスの中の聖夜ー」

副題の昭和感たるや……! 岩崎良美かよ!(「硝子の聖夜」という楽曲があります)

「天国で再会したJAGUARとクリスタルバード。二人の魂は一つになる。」

天国で2人は一つになっちゃうの? 鳥が自分の生み出した世界の獣と?
パラレルワールドだからツッコミはノーセンキューですね!!!
途中、鏡の世界に迷い込んだものの、ラストはガラスの中で完結するのね、そうか、なるほど。わからん。

カゲソロのうたちが効いている。
JAGUARはやはり心のどこかであのマシーンガールにクリスタルバードを見出していたのかな。

●LAST FANTASY「HEAT BEAT!〜JAGUAR THE FINAL」

「THE FINAL」って映画でよくみるタイトルだよね。

グラムロックスター風のアダムボーイと魅惑的なミス・スネークたちのナンバー。」

聖書ネタきたー!
しかしスネークが多すぎ、誘惑多すぎ、でも蛇が誘惑するのはイブのはず。一体イブはどこにいるのか、スネークに混ざっているのか。本物はリンゴを持っている、のではないか。
ミス・スネークたちはジャングルバードたちの黒髪おかっぱバージョン。これはこれで可愛い。
「愛は惜しみなく奪うもの」らしい。

「ヒートビート男Sと女たちが情熱的に歌い踊る。」

これまたあまり治安が良くなさそうなせおっちセンター。娘役はアヤネ・ミランダ・カーこと綾音美蘭が前に出てくるのが非常に嬉しい。
ここから続く男役群舞も、さすがタカラジェンヌ、品はあるが、ややヤンキーより。

「クリスタルビートの歌からはじまる星組男役トップスリーの競宴。」

突然のメタ発言「星組男役トップスリー」。
なんかもっと他の言い方はなかったんかーい!w

***

銀橋回転寿司かのようにスターに銀橋を渡らせまくる演出も、実はとても嬉しいです。
以下、銀橋を渡る/渡らないの話になりますが、私の記憶違いでしたら申し訳ありません。また、銀橋を渡らないスターを軽んじるような主旨もありません。あしからずご了承ください。

路線スターの他、基本的に各FANTASYの語り手と思われる人たちが歌いながら銀橋を最初に渡ります。

●3rd FANTASY「PARADISE JUNGLE」第5場
ムッシュクラウン→美稀千種
マダムクラウン→紫りら、二條華
●3rd FANTASY「PARADISE JUNGLE」第8場
マーリン(猛獣使い)→暁千星
女豹A→天華えま
チルクの男→碧海さりお
※ただし、場面の始めというよりはつなぎのタイミングであり、共通のモチーフの3人でない上に、歌っているのはありちゃんのみ、さらに3人とも別の場面でも銀橋を渡るので、他の場面の語り手とはいささか趣が異なる。
●5th FANTASY「CRYSTAL FANTASY]第12場E
月神→美稀千種、天路そら、颯香凛
太陽神→輝咲玲央、朱紫令真、夕陽真輝
※場面の初めではないが、明らかに共通モチーフキャラクターであり、3人とも歌うので語り手とカウントする。
●6th FANTASY「NARKISSOSー星の砂漠の恋人たちー」第15場
黒い貴婦人→白妙なつ
黒い吟遊詩人→大輝真琴、ひろ香祐

こう考えると、上級生で歌いながら銀橋を渡っていないのは、音咲いつきと朝水りょうの2人だけになるでしょうか。
しかし前者は本舞台でソロ曲を歌い上げ、後者は総踊りときには大抵センター付近にいる印象。素敵な金髪が見つけやすい。
そう考えるととてもタカラジェンヌに気を配っているな、ということも見えてきます。
銀橋は路線スターだけが渡るものではないでしょう。

一方で、語り手ではないため歌いながらではないが、銀橋を渡るのが以下の場面(プロローグ、中詰をのぞく)。

●7th FANTASY「THE PURPLE COMMANDOー君に逢いたくてー」第17場
バファロー→瀬央ゆりあ
ローグ男→夕渚りょう、朱紫令真、碧海さりお、天飛華音
ローグ女→音咲いつき、彩園ひな、水乃ゆり、詩ちづる

歌わずとも銀橋を渡る人がこれだけいるのはすごい。ファンにとっては嬉しい。
これは男役4人、娘役4人を引き連れたバファローという構図だが、この偶数人に注目すると別のものが見えてくる、かな。
娘役4人もしくは2人の偶数になると銀橋は渡らないらしいことが見えてくるからだ。興味深い。

●3rd FANTASY「PARADISE JUNGLE」
パラダイスガール→水乃ゆり、瑠璃花夏
※ただし、これはブラックボーイ(極美慎、天飛華音)の対である考えるので、同等の扱いになることは必定かと。
●5th FANTASY「CRYSTAL FANTASY」第12場E、第13場B
ワイルドキャット→澪乃桜季、都優奈、瑠璃花夏、星咲希
●6th FANTASY「NARKISSOSー星の砂漠の恋人たちー」
スイセン→澪乃桜季、瑠璃花夏、星咲希、碧羽陽

このうち3回とも出ているるりはなちゃんは、別の場面で銀橋は渡っている。
さらに男役4人(偶数)でも、以下は銀橋を渡らない。

●5th FANTASY「CRYSTAL FANTASY」第13場B
暁の風男→天希ほまれ、碧海さりお、天飛華音、碧音斗和

あれこれ考えるのが楽しいショーだから(そして唯一無二の正解はない)、CDを買ってしまいそうなのが恐ろしい。歌詞とか知りたいよね、きっともっと情報が載っているよね、と思ってしまう。
楽しみにしています!