ゆきこの部屋

宝塚やミュージカル、映画など好きなものについて語るところ。

花組『ENCHANTEMENT-華麗なる香水-』感想

花組公演

タカラヅカ・スペクタキュラー

『ENCHANTEMENT(アンシャントマン) -華麗なる香水(パルファン)-』
作・演出/野口幸作

お芝居『うたかたの恋』の感想はこちら。

yukiko221b.hatenablog.com

一度、休演になってしまいましたが、19日から公演再開、21日の今日のマチネ公演からは休演者も復活ということで、おめでとうございます。どうかどうか、このまま30日まで走りきれますように。本当に頼むよ、私のチケットもなくなってしまったのだよ。新人公演までもがああああ……っ!><
まあ、言うても詮無きことです。これに関してはジェンヌたちは誰も悪くない。悪いのはコロナとその対策をろくにしない政府です。

私は野口センセの星組『THE ENTERTAINER』が大好きです。デビュー作ですね。雪組の『SV』は、嫌いではないのですが、しょうくん(彩凪翔)とあーさ(朝美絢)のいわゆるアイドル場面が録音と知ってからはちょっと心が離れている感じ……花組の『BG』も、全体的には好きなのですが、中詰でタカラジェンヌに「生足ヘソ出しマーメード♪』と歌わせる神経は疑いました、ええ心の底から。宙組の『デリシュー!』は盲目の少女の扱いが気になるものの全体的には好きでした。ちなみに雪組『ODYSSEY』は全く乗りこなすことはできませんでした。
そして今回の花組は王道のレビューという感じが強かったです。直前に見た星組ジャガビー』が反則ワザが多かったからかもしれませんが(笑)、大変見やすいショーでした。初心者にはとても見やすいと思うので、芝居ともども宝塚を始めて見る人におすすめの二本立てだと思いました。

オープニング、まさかのゴンドラではなかった調香師のれいちゃん(柚香光)はセンターセリ上がり。エイトシャルマントにまる(美空真瑠)がおりましたね! テンションあがる!
そしてプロローグの最初の銀橋渡りにあわちゃん(美羽愛)がいたことはもう感動でございました。ありがとう、野口センセ!
プロローグ銀橋渡りの娘役は、かがりり(華雅りりか)、うらら(春妃うらら)、ここちゃん(都姫ここ)、あわちゃん、みさきちゃん(星空美咲)の五人。このうち、かがりりとここちゃんが今回で退団。なんだかな……上級生娘役があまりにもいなさすぎるのが心配になります。どの組もそういう印象がありますが、花組は特に。公演スチール写真の有無とか、どうやって決めているのだろう、本当に娘役、少ないんだよ。

こういうザ☆ロイヤル貴族!という衣装もとてもいい。男役のリボンタイ、とてもいい。私はこういう衣装のしぃちゃん(和海そう)にめっぽう弱いのです。もう、本当に、好き……っ! 歌手起用、本当にありがとうございます。
ムスクの場面や『元禄』のイケイケみたいなキャラも好きだけど、ああいうのを見ると「あー!お客様!落ち着いて下さいー!お着替えを!お着替えを!」という感じになってしまう。あのカリ様(煌羽レオ)のピンク髪青Tシャツのときもそんな感じだったから、性癖に刺さっていることは間違いないんだろうけどな。見ているとドキドキしすぎるからヤバいのだろう、わかる。

くるくる回る大きな舞台装置にタカラジェンヌを乗せるのは、野口センセのお家芸なのでしょうか。いや、嫌いじゃないけどね。みんな見えるからね。THE☆大劇場っていう感じもするし。でも、だからこそ、野口センセのショーはなかなか全国ツアーなどの地方公演ではなかなか採用されないのかな、と思ってみたり。
それだけが理由なら、ちょっともったいないような気もします。

お次はラインダンス。「シトラス・ビューティーA」のらいと(希波らいと)がデカいのなんのって……っ! こりゃすごい! たまげた! ヒールを履いていることもあるのでしょうが、とにかく大きいんだよ。
シトラス・ボーイのひとこ(永久輝せあ)、ほってぃ(帆純まひろ)、あすか(聖乃あすか)、はなこ(一之瀬航季)、だいや(侑輝大弥)の五人よりもさらにデカい。目立つなースターだなーという感じがする。ラインダンスの真ん中も圧巻でした。
らいとのルドルフが、どうしても見たいので、東京では頼むから新人公演が上演できますように。心の底からお願いする。ホント、頼むで……!
ラインダンスは小さい娘役大好きな私としてはいつも一番端を見てしまう。上手のゆめちゃん(初音夢)、ゆかりちゃん(真澄ゆかり)、下手のひめかちゃん(湖春ひめ花)、みんなみんな可愛いです。
ゆりかちゃんは前回のバウ『殉情』で幼少期の春琴をAチーム、Bチームともに演じた娘役。期待が高まります。見つけられてよかった!

「葡萄」畑で美男美女の「舞踏」会みたいな場面のセンターはまいてぃ(水美舞斗)。なんで、まいてぃ、専科に行ってしまうん?と節子の無邪気さで問いたい。もちろん実力としては申し分ないのですが、キャラクターとしてはチームの中で力を発揮するタイプではなかろうかと思ってしまうのです。
そしてここのまいてぃの相手役はまさかのあすか。いや、まさかもなにも『歌劇』「座談会」を読んでいたから知ってはいたけれども、あの場面だったら別にあすかが演じる必要はなかったのではないか、と正直思ってしまった。劇団からの要請なのか、野口センセの趣味なのかはわかりませんが、なんだかなー……娘役を育てる気持ちはないんかい!と思ってしまったよ。育てないと駄目でしょう。
それは歌手起用を見ても同じことがいえるかな。組長(美風舞良)、副組長(航琉ひびき)、ビッグ(羽立光来)、おいとちゃん(糸月雪羽)が歌えることはみんな知っているよ。うん、美声でよかったけどね。
こちらもタカラジェンヌに非はないでしょう。

ニューヨークであらゆる種類の香水瓶を手にした娘役ちゃんたちは、どれもソーキュート!で目が足りないいいい!!!><という感じでしたが、本当もう、みんな可愛い……私ついあわちゃんを見てしまうけど、新人公演ヒロインのはづきちゃん(七彩はづき)もここでちゃんと認識したのよ。東京は絶対にやろうね。
みさこ(美里玲菜)はやはり大きいなあ……華がある。好き。もうちょっと役付きがよくなるといいのですが。
で、この場面で文句を言いたいのはさ、マリリン・モンローに扮したまどか(星風まどか)の、あの風でスカートをあおるシーン、本当に必要でしたか?
私は、絶対にいらなかったと思う。だって、そもそも役名も「NYCガールS」なんだよ? 「マリリン・モンロー」ではないんだよ? あれ、どういう気持ちで女性が見ているのか、わかる?
マリリン自身は、靴のヒールを斜めに削って歩くとお尻が揺れて色っぽく見える、ということを実践した一方で、少しでも知識や知恵を身につけようとすると「女はバカな方がいい」と言われ続けてきたような、そういう女性だよ? そりゃ鬱にもなるし、ヤクにも手を出さずにはいられなかろうと思ってしまうわ。
私はものすごくこの場面が嫌だった。そういう目的で宝塚を見ている男性が一定数いることもわかっているから、本当に、心底、腹が立った。絶対にいらん。やめてくれ。セクハラ・パワハラで最近問題になったばかりですよね、劇団。しっかりしてくれよ……。
ダンスそのものも、それ『TOP HAT』で見たヤツ、と思ってしまった。

そして中詰のオリエンタル。なんとなく『Dream Chaser』のカンフー中詰ブルーの場面を思い出しましたが、ノリとしては同じということでしいのかな。ただし、こちらのお衣装は赤。
ここも娘役の衣装が好きだったなー。胸のあたりが逆さのハートマークみたいな形で空いているの、可愛いんですよね。スリットも入っていて良き! すみれちゃん(詩希すみれ)可愛かったな。彼女も、もうちょっと出番があるといいのだけれど。
スケスケの扇は軽くて、軽すぎて少し扱いにくいのでは?と思いましたが、扇が今流行っているのでしょうかね。『グランカンタン』でも見ましたし、『蒼穹』のフィナーレでもありました。もっとも、野口センセの場合、一緒に踊れるグッズを!という頭もあるかもしれませんが。
前回のショーで反省したのか、今回はわりと安価かつ実用性も備えたグッズになっていましたね。しかし、もうこれも飽きたよ……という感じです。
あわちゃんは、もう常に前列にいる感じで、探すというほどでもなくなりましたね。しかし、映像化するときはセンターの後ろ二列目とかがよく映るんだよな……という葛藤もある。やはり舞台は生で見なければ、という気持ちになってしまって、大変いけない。
「オリエンタルの美女A」はプロローグの5人に加えてことのちゃん(朝葉ことの)の6人。バウヒロインの成果でしょう。

シーソルトの場面では、みさきちゃんを中心に、新人公演世代の下級生娘役たちが銀橋を渡ります。これは画期的だった。画期的だったがゆえに、ダブルセンターでもよかったのではないかとさえ思った。
さきちゃん、劇団が二番手娘役にしたいのはわかるんだけどね……このメンバーなら、もはや誰がセンターでもええやんと思ってしまった次第です、すいません。
ここちゃんとあわちゃんの同期シンメは可愛かったです。104期生もどんんどん退団していってしまって淋しい……とジーンとしてしまいました。
みこちゃん(愛蘭みこ)も可愛い―! ヒュー! 新人公演のミリー、めっちゃ楽しみにしています。ちょっとヤンチャなミリーになりそうです。
男役も出てきてペアダンス。あわちゃんはらいとと一緒。このコンビ、私にとっては『元禄』新人公演を思い出させて、非常に嬉しいコンビでした。頼むよ! どこかに映像残ってないの!? 雪組『ワンス』の新人公演みたいな番組を、こちらでも、何卒! ぜひに……っ! 死ぬに死ねないよ!

ムスクは男役たちの怪しいナイトクラブ。葡萄畑の舞踏会の男役バージョン。ちょっとコンセプトが似たり寄ったりになっていないか……と思ってしまった。あえていえば、ナイトメアの存在があることが特徴かな。副組長、ビッグ、そして峰果とわ、三人ともさすがでした。
そして存在感を表すトナカイ。鹿?という話もありましたが、なんか、あの感じ、私にはトナカイに見えました。鷲といい、大きな動物の装置が出てくる二本立てですな。でも「ムスク」の香りはジャコウジカからとれるものだから、やはり鹿なのだろうな。雄鹿の睾丸から分泌されるのがムスクの香り。
ほってぃとはなこがシンメ、だいやとらいとがシンメ、わかりやすい。だから初心者にも見やすいのでしょう。それがスターのファンにとってどうかは、またちょっと別の問題なのかもしれませんが。だって、本当にいつもこれじゃん。どの場面もこれで、いわゆるピックアップみたいなのがない。そう、しかしだからこそ見やすいとも言える……。

そして、ANGELまどかが! あーちゃん(綺咲愛里)が『キラル』で一瞬だけ来た、ブルーの星のドレスを着てくれた……っ! 嬉しい! あのドレス、本当に好きだったんだ! それなのに、出てきたのが一瞬すぎて、淋しかったんだ! めちゃんこ可愛いよね、あれ!
はばまい(音彩唯)好きな友人は「ティティス!」と喜んでいました。うん、ちょっと違うドレスだったけどね? まあ、いいか。
あのドレスで堂々と銀橋を渡ったり、大階段を降りてきたりしているまどかを見て、本当にすばらしいと思いました。下級生の娘役ちゃんたちはぜひ見習ってね。
THE STARのれいちゃんの踊りはさすがだったなー。もちろんどのダンスも素敵だったんだけど、ここのダンスの身体の使い方で表現される物語が私はとても好きでした。「ダイナミックに踊る」と公演プログラムの解説をまさに体現していました。

アイドル場面のシンメも学年順で相変わらずな感じでした。まるが入ってくるのは嬉しい。そしてまるは今回のショーで出番が飛躍的に増えたせいなのか、出てきたばかりなのに汗が!?みたいなことが何回かあって、裏での準備の忙しさに思いを馳せました。慣れもあることでしょう。頑張って!

フィナーレの淑女と踊るのはれいちゃんでしたが、ここはまいてぃでもよかったかな、とよこしまなことを思ってしまいました。組子の娘役に囲まれて踊るまいてぃが見たかったんだよ、私は。最後だから……ぐすん。
パレードの階段降りはとにかく忙しかった印象。上手下手と4人ずつ降りてきて、あっという間に終わってしまった。つまり、ここまでが詰め込みすぎということなのでしょう。下級生娘役ウォッチャーとしては淋しかったかな。
あと、娘役の階段降りが少なくて……少ないっていうか、エトワールとまどかだけってどうなの……かがりりが歌はなくてもセンター降りしていたようですが、なんせ超忙しいパレードだったから、私は最初、見逃してしまった。その上、次のチケットもとんでしまった。肉眼では確認ならず、というところかな……すんすん。

どうか無事に東京千秋楽まで突っ走れますように。休演も休演者も出しませんように。どうか、どうか! ちなみに私の香水は「ジョーマローン」です!!!